大河「・・・竜児ぃ・・・」
竜児「・・・?大河か?」
大河「うん・・・」
竜児「どうしたこんな時間に・・・つか、どっから入った?」
大河「窓」

見るとなびくカーテン

竜児「・・・お前なぁ」
大河「竜児」
竜児「なんだよ」
大河「一緒に寝ていい?」
竜児「!?さ、流石にそれはまずいだろ?」
大河「わわわかってるわよ!だ、だから背中合わせで!お互い方向別々で!」
竜児「いやそれでも・・・」
大河「いいじゃない!ほら!」
竜児「わぷ!」

無理矢理寝かされて1時間後

竜児「・・・」
大河「・・・」
竜児『・・・背中あったけぇ・・・こんなんで眠れるのか大河は?』
大河「・・・(もぞ)」
竜児「!?(手握ってきた!?)た、たい・・」
大河「怖い夢見ちゃったの・・・繋いでて・・・」
竜児「お・・おう・・・」



竜児「・・・なあ」
大河「・・・なに?」
竜児「怖い夢って・・・なに見たんだ?」
大河「・・・えとね・・・説明難しいんだけど・・・」
竜児「うん」
大河「・・・簡単に言うと、周りのみんなが、あたし一人残して誰もいなくなっちゃうの」
竜児「!」
大河「そしてあたしは・・・ただ一人、ぽつんと縮こまって泣いてる・・・そんな夢・・・」
竜児「・・・」
大河「そんな夢見ちゃったらさ・・・急にあの部屋が怖くなってここにきてたの・・・ごめんね。迷惑なのはわかってるけど・・・」
竜児「大河」
大河「え?」
竜児「俺、そっち向いて寝ていいか?」
大河「な!?ダ、ダメに決まってるでしょ!なに言ってんの!?」
竜児「うるせーな、なにもしねーよ、ただ・・・」

向き直ると、大河を両手で抱き締めた。

竜児「こうしてやりたくなったんだよ・・・」
大河「りゅ、竜児!?」
竜児「どうだ?」
大河「え?///」
竜児「俺の鼓動、聞こえるか?」
大河「え?あ、う、うん・・・」
竜児「わかるか?お前は一人じゃないぞ?」
大河「!・・・うん」
竜児「安心したか?」
大河「・・・うん・・・」
竜児「よし。眠くなったら寝ていいぞ?」
大河「う・・・ん・・・」竜児「このままでいてやるから・・・」
大河「・・・うん・・・ありがとりゅ・・・すー・・・」
竜児「・・・おやすみ大河・・・」




○翌朝

大河「う・・・うーん・・・!?うわうわうわ!?ここここれどういうこと!?」

目の前にある竜児の顔に一気に目が覚める。
一瞬の混乱の後、そういえばと思い出す。

大河「・・・あそっか昨日竜児の部屋に・・・てゆか、ほんとになにもしなかったんだ・・・」

わずかな乱れもないパジャマ。
見下ろすその顔に、わずかに残念そうな影がさしたのには気付かない。
そのまま竜児の顔をみつめる大河。
その唇が小さく小さく言葉を紡ぐ。

大河「・・・ありがとね竜児。いっつも迷惑掛けてごめんね。・・・面と向かってじゃいえないけどホントに感謝してる。あんたの存在に救われてる。だからこれは・・・感謝のつもり」

そっと差し出された両手が、竜児の頬に添えられる。
そして・・・

チュ

大河「じゃね。またくるね」

起こさないようにそっと布団を出る大河。
パタンと窓の閉まる音を聞いて竜児の目が開いた。

竜児「・・・ばーか。とっくの昔に目なんか覚めてんだよ・・ったく。つか何してくれてんだあいつは・・・」

がりがりと頭を掻きながら体を起こす。

『ありがとね竜児』

囁かれた言葉を反芻して、知らず竜児の頬が緩む。
そして、くちづけられた部分に指が触れて・・・固まる。

竜児「・・・てゆーか、普通感謝のしるしとかって、頬っぺたとか、額とかにするんじゃねーの!?なにあいつ・・・あいつマウストゥーマウスしてんだ!?しかも俺ファーストキスだぞ!?なにさらっと奪ってくれちゃってんの!?」

一方大河。
お風呂に浸かりながら。

大河「あ、あたし間違ってないよね?ちちちゃんとおでこにしたよね?目つぶっちゃってわかんなかったけど!なななんか軟らかかったけど!きき気のせいだよね?だよね!?」



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