「ふう、いいお湯だった。竜児、風呂空いたわよ」
「おう」
居間でテレビを見ていた竜児がふりかえるとバスタオルを巻いた大河が冷蔵庫の牛乳を漁っていた。
風呂上りでほんのりピンク色に染まった肩をあらわにした大河は妙に色っぽくまだ濡れている髪からは
雫がポタポタと・・・
「っておい大河!ちゃんと拭いてでて来いよ。あ〜あ〜もう床びしょびしょにして〜」
「うっさいわねぇ」
そういうと体に巻いてるタオルをブワッと広げやけくそ気味に髪を拭き始める。
「ちゅくちゅくぼーし!!ちゅくちゅくぼーし!!ちゅくちゅくぼーし!!・・・」
振り回される髪から水滴がそこらじゅうへと飛び散る。
「わぁ待て待てここでやるな・・うわお前パンツはいてないのかよ!はけ!すぐ!」
一瞬見えたお尻から目線をそらして赤くなる竜児。なんだコイツは。いつからこんな大胆になったんだ?
いや、もしかして男として見てない?
「いちいちうるさいわねぇ、あんたが拭けって言うから拭いたんじゃない!」
バスタオルが竜児めがけて飛んでくる。
「ちょ・・」とっさに避けるが
「問答無用!おっぴろげじゃーんぷ!」
「え?うわ!」
虎の身のこなしで見事にクリーンヒット。両足でホールドされた竜児の顔はいろんな意味で赤くなっていく。
「く、くるひぃ・・・」
哀れ乳などもうどうでもいいのだろうか、竜児の視界にはヘソの向こうでニヤニヤと勝ち誇った顔の大河が見える。
頬を覆うしっとりとした太もも、石鹸の香り、そして・・・いろんな意味でギブアップだ。
竜児は床をバンバンと叩き敗北を認める。
「ふふんw」
大河は竜児を解放するとバスタオル巻いてパンツを取りに脱衣所へと向かっていった。
「今更巻くのかよ!w」と突っ込みを入れたかった竜児だがぐっとこらえて床を拭き始める。
「ちゃんと拭きなさいよw」と脱衣所から顔を出す大河。
くそ、こいつは〜。
しかし竜児はこんな生活が大好きである。


作品一覧ページに戻る   TOPにもどる
inserted by FC2 system