『竜児は私のだぁーーーー!!!!』


「はっ!?夢か……そっか、私水泳に負けて、竜児はばかちーの別荘に行っちゃったんだっけ……」
『ピンポーン』
「私がもっと素直だったら……こんなことにはならなかったのかな?竜児……」
『ピンポーンピンポーン』
「だぁぁぁぁぁ!!うるさい!!朝から一体誰よ!?くだらない勧誘だったぶっとばしてやる!!」
『ピンポーン』
「うるっさいわね!!何のよ……竜児!?」
「やっぱいるじゃねーか」
「な、何で竜児がここにいるの?ばかちーの別荘は?」
「行かなかった」
「な、何で!?」
「何でも何も俺行きたいなんて一言も言ってないし」
「で、でも私負けたし」
「だから俺が行きたくないって言ったんだよ」
「どうして……?」
「まぁ泰子が心配だし……お前がいないんならつまんないからな」
「りゅ、竜児っ!!私、私アンタが行っちゃったと思ってて、それで、それで……」
「俺がいないと飯も食えないからか?ちゃんと飯作ったのにお前全然来ないから……」
「違う!!そうじゃない!!私は夏中竜児がいないんだと思ったら寂しくて、だから……」
「……泣いてたのか?」
「っ!?違!?な、泣いてなんか……!!」
「ドジ、ならその目から出てるのはなんだよ」
「こ、これは目から汗が出たのよ!!」
「………………」
「………………りゅう、じ、うわぁぁぁぁぁん!!!」
「ほら、泣くなよ、俺はお前の傍にいるって言っただろ?」
「うん、うん。でもね、今回は私、置いて、いかれたと思って、だから、うううぅぅ……」
「俺はお前のだって言ったのはお前だろ?」
「あ、あれは……///」
「正直さ、嬉しかったんだよ」
「え……?」
「お前にとって俺は、何でもないそのへんの石ころと同じなのかって心配だった」
「ち、違っ!?そんなこと……」
「ああ、だから本当に嬉しかった」
「わ、私……」
「俺は竜だ、だから俺はお前の傍に居続ける。ずっと、何があってもだ」
「何があっても……?」
「ああ、何があってもだ。たとえ槍が降ろうが隕石が落ちようが俺はお前の傍に居続ける。お前が俺を必要としなくなるまでな」
「……そんな日、来ないわよ。絶対にそんな日なんか来ない。だって……」
「ん?何か言ったか?」
「……何でもない。朝ごはん出来てるんでしょ?早くやっちゃんのとこ行こ?」
「ああ、そうだな」

(だって、だってね竜児、私、もうどうしたって、アンタのことが好きなんだもん)

「おーい、早く来いよー!!」
「今行くー!!ねぇ竜児、今日のおかずは……」

END



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