「文化祭はコスプレ喫茶だな!!」
「コスプレ喫茶か(コスプレねぇ、大河がメイド服着たら……う〜ん、チャイナ服はだめだな。ゴスロリっぽいのとかか……)」
「お?高っちゃん何考えてんの?」
「えっ!?あ、いや……」
「あ、わかった!!好きな女子のコスプレ姿だ!!」
「なっ!?違う!!(俺は櫛枝が……)」
「んー?じゃ違う女子のコスプレ姿想像してたの?」
「いや、コスプレから離れろよ(実際はそうだけど……)」
「なんかさーそういうのってよくあるらしいんだよねー。俺はこいつが好きだーって思ってたはずなのに考えてるのはいつも違う女で、何となく気が置けなくなってて、気付けばってか最初からそっちの女の方が好きだった、とかさー」
「春田、お前……?」
「んー?何高っちゃん?」
「いや、なんでもない。今日は帰るわ」
「んじゃま明日ねー」

「気付けばってか最初から、か……」
「おや?高須君?今帰りかい」
「櫛枝?おぅ」
「そっかそっか。そーだ、良かったら時間ある?ちょっとコーヒーでも飲みに行かない?」
「あ、……(今日は確か大河は課題で遅くなるって言ってたな、時間はあるが……)」
「ん?」
「いや、悪い。大河のために晩飯作んないといけないから」
「あ〜そっか。大河か……。そしたらまたね!!」
「おぅ、悪いな」
「いいっていいって。大河に美味しいもの食べさせてあげなよ。じゃね高須君」
「ああ」

(考えてるのはいつも違う女、か。怒ってる大河、笑ってる大河、拗ねてる大河、飯食ってる大河、眠ってる大河、泣いてる大河、大河、大河大河大河大河大河大河大河大河……)
「ああ〜もうっ!!大河のことばっかり……」
「呼んだ?」
「おぅっ!?大河いつの間に?」
「さっきからいたわよ。ご飯まだ?」
「あ、ああもうすぐだ。今日は時間があったからちょっと手の込んだものを……」
「……ねぇ竜児」
「ん?」
「何で放課後みのりんの誘いを断ったの?」
「なっ!?」
「偶然通りかかっちゃって、聞こえたんだ。ねぇどうして?アンタはみのりんが……」
「……春田に聞いたんだけどよ」
「?」
「こいつが好きだーって思ってたはずなのに考えてるのはいつも別な女で、実はそっちの方が好きになってるってよくあるんだってさ」
「だから?」
「気付いたら……お前の事ばかり考えてた」
「!?それって……」
「悪い、迷惑だってわかってる。だからどうこう言うつもりもするつもりもな……『ぎゅっ』大河?」
「アンタはみのりんじゃなくて良いの……?」
「………………」
「実はさ、私アンタに初めて大河って呼ばれた時からもう北村君よりアンタが気になってた……でもアンタにはみのりんがいるんだってずっと言い聞かせてた。ねぇ……アンタは……」
「俺の頭にあるのは、怒ってる大河で、笑ってる大河で、飯食ってる大河で……全部大河だ」
「じゃあさ、私ももぅ我慢しなくて、いいのかな……?どうどうと竜児の傍にいてもいいのかな……?自分に嘘をつかなくてもいいのかな……?」
「お前が……俺を望んでくれるなら俺は……傍にいる。……竜だからな」
「ん……ありがとう竜児。私、竜児と出会えて良かった……」

後日、大河の父親が大河を迎えに来るが、大河の彼氏がそれを許さなかったとかww



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