星下の許での再逢いは
想い溢れし最愛の
涙に濡れて笑顔は見えず
しかし哀惜寄る辺なし
二人を包みし歓喜のコート
寒空にありて尚暖かし


『星の降る夜に〜帰り道〜』


「・・・ねぇ」
「うん?」
しばらく泣いていたせいだろう。
大河の声は鼻に掛かって、少しかすれていた。
ズズッと鼻を啜った大河に、竜児がポケットからハンカチを取り出して渡した。利き腕とは違う方で。
なぜなら右手は、大河がギッチリとしがみつくようにして歩いていたから。
まるでもうドコへも行かさないといわんばかりに。
「ねぇ」
鼻をかんで通りの良くなった声で、大河がもう一度問い掛ける。
「うん?」
「・・・聞いていい?」
「いいぞ」
一瞬開く間。
大河が躊躇してることに、竜児は気付いていた。
だから自分から言った。
「どうしてこんなに遅くなった・・・か?」
「!?」
驚いて顔を上げる大河。
緩慢に頷くのを見て、竜児が苦笑を浮かべる。
「理由が聞きたいんだろ?話してやるよ、何でも。1から順にな。んで、まずこんなに期間が伸びた訳だが・・・」

それはまた別のお話w




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