大河「おはよ〜」
竜児「おう来たか、おはよう」
大河「…この暑い中、朝から掃除?」
竜児「ほら、明日はもうお盆だろ?だからいつも以上に大掃除してやろうと思ってよ。…おっと…そんな隅っこに逃げたって無駄だぜ〜?この高須棒から逃げられたやつはいないんだからな!」
大河「……やっぱ末期ね…遺憾だわ」
竜児「なんとでもいいやがれ。今の俺を止めることなど…」
大河「別に止めるつもりなんてないわよ。…今更だけどホント竜児って掃除好きよね」
竜児「ああ。あのどうやったってとれなさそうな汚れをおとした瞬間、全てを終わらせて周りを見渡す瞬間。たまんねえんだよなあ〜…」
大河「…ふ〜ん、そういうもんなの?」
竜児「大河にはわかんねえだろうな。あのキッチンをあんな悲惨な状態のまま生活できるくらいなんだし」
大河「う………だ、だったらやってやろうじゃないの…」
竜児「…え?」
大河「だから掃除!私も手伝ってやるって言ってんの!…悪い?」
竜児「…いや…嬉しいけどよ…本気か?」
大河「本気。そこまで言われたら…私も掃除くらいできることを証明してあげるわ。…それに…竜児が掃除ばっかしてたら…つまんないんだもん…」
竜児「大河…よし、じゃあ一緒に掃除するか!」
大河「だからしてやるっていってんでしょ!…それで?私は何をすればいいの?」
竜児「そうだなあ…」




竜児「じゃあまずは棚とかに溜まった埃を落としてくれるか?ほい、布巾と高須棒」
大河「わかったわ。まあまずは肩慣らしね。すぐ終わらせてやるわ」
竜児「おう、その意気だ。じゃあその間に俺は風呂場をやっとくか」

〜数分後〜

大河「ほら、どうよ?」
竜児「どれどれ…おお…埃一つない…大河でもやればできるじゃないか!」
大河「…な〜んか馬鹿にされてる気がするんだけど…しかも姑くさい…」
竜児「嫁に違いはないだろ?」
大河「あ…そうだった//…て、あんた姑を否定しないわけ?」
竜児「いやなんか…そう思われるのも慣れてきたっていうか」
大河「…これもまた遺憾だわ…」
竜児「ほっとけ…」
大河「…で?次は?」
竜児「飽きてないだと…あの大河が?…やばい、涙出そグハッ!」
大河「もうやめようかしら?」
竜児「ゲホッゲホッ…悪い悪い、さすがに言い過ぎたな…でも本当に嬉しいんだよ、大河と一緒に掃除できるなんて思ってなくてさ」
大河「!…ふ、ふん…どうだか!……それで?次はどこを掃除すればいいの?」
竜児「よし、じゃあ次は……」




夕方


大河「ふう、やっとおわったわね…疲れた…」
竜児「ああ…でも見違えるほど綺麗になったな。」
大河「私が手伝ったんだから当然よ」
竜児「おう、大河のおかげだ。ありがとうな」
大河「じゃああとでヨーグルトパフェおごってね!」
竜児「おごってやるおごってやる。……にしてもホント疲れたな…ちょっと横になるか…」
大河「……私も…なんか眠くなって…」
竜児「…背中に乗るなよ…」
大河「…い〜じゃない…別に……ねえ竜児…掃除も結構楽しいわね…」
竜児「…だろ?少しは俺の気持ちがわかったろ…?」
大河「少しだけね…でも楽しく感じるのは…きっと…竜児と……zzz」
竜児「…ん〜?…今……なん…て……zzz」



夜、仕事から帰ってきた泰子には、【十】の字になって気持ち良さそうに寝ている2人を起こすことはできなかった。

大河「…竜児〜……zzz」
竜児「…大河〜……zzz」




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