754 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/04(土) 16:39:03 ID:fEu2hCGG

「竜児!」
言われんでも意図する所は解っていた
大河の呼びかけより一瞬早く竜児が投擲した『ソレ』が炸裂、あたり一面純白の闇が包む
『ぴぎゃあぁぁぁぁ』
絞め殺される豚のごとき悲鳴を上げたのは今まさに飛び立たんとしていた飛竜の王
空中で視界を奪われ重力の鎖に囚われるまま大地に叩きつけられる
「いよっしゃあぁぁ、死ねぇぇ!!」
大河の振るう太刀が一切の逡巡も、情けも、容赦もなく飛龍の王を切り刻む
「殺すなよ…捕獲が目的なんだろうが」
竜児の言葉は果たして大河の耳に届いただろうか?
哀れな飛竜の王は半ばから断ち切られた尻尾を苦し紛れに振り回す
が、大河の前には無意味にして無駄かつ無謀な抵抗
逆に尻尾を掻い潜った大河に真っ向から唐竹割られ、よろめく始末
真に哀れな飛龍の王、視界を取り戻すなり足を引きずりつつ逃げ惑い始めた
「逃っげるなあぁぁ!」
大河はなおも追いすがり、尻尾の切断面をえぐりまわす
真に真に哀れな飛龍のおうの、その姿に何故か竜児はちょっぴり同情、あれ、何で同情してんだ俺は?と思わなくも無い
「そろそろ楽にしてやるか…」
ひとりごちると、捕獲用のアイテム(予備を含めて3セット)を確認しつつ飛竜の休眠地へと先回りをはじめる
と、そこで気付いた
そうかかつての俺を見た、様な気がしたのか…
ハァ、ため息をつきつつトラップを仕掛け始めた竜児の耳に
「ゴメン、殺り過ぎた、遺憾だわ〜」
の声が聞こえてきたのはその直後だった
やっぱり届いてなかったのか…



755 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/04(土) 16:43:14 ID:fEu2hCGG

小さな画面の中、頭を砕かれ、尻尾を切られ、翼もボロボロ
まさに完全破壊で倒れ臥す飛竜の王に竜児は思う
竜になるとは言ったけど、飛竜にはなりたく無い、と



760 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/04(土) 17:38:46 ID:qhT7NzIy

イアンクック討伐
「死ねぇぇぇぇブサ鳥!!!」
「それはインコちゃんじゃないぞ大河!」

討伐完了




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