大河「ねえ、今日十五夜なんだって」
竜児「十五夜?満月だからお月見するって日か?」
大河「そうそれ。ということでお月見しよ〜!」
竜児「単刀直入だな。お月見か〜…今まで十五夜自体意識してなかったしな」
大河「だからするのよ。風情でいいじゃない、たまには。お月見お月見お月見しよ〜!」
竜児「…まさかとは思うが、無性に団子を食いたくなったから、ってわけじゃないだろうな?」
大河「!…ピュ〜♪;」
竜児「……まあいいや、じゃあ準備するか」
大河「わかればよろしい!」
竜児「へいへい」
大河「あ、そうそう。ここから3駅離れたところに大きな公園があるの。そこ行こう」
竜児「別にわざわざそこまで行かなくてもいいんじゃないか?」
大河「この辺は建物が多くて雰囲気でないのよ。それにお月様が見えないかもしれないじゃない」
竜児「まあ明日は日曜日だし、帰りが遅くなっても問題ないか。しかし、団子食うだけなのに本格的だな」
大河「うるさい!…ふぐっ!」
竜児「ぐぐ…おまえの行動は読めてるんだよ」
大河「…お互いに鼻フック…って…」
竜児「たまにはいいだろ?」
大河「いいわけないでしょ…あんた…やっぱ変態犬?遺憾だわ…」



竜児「へえ〜…いいとこだな…こんな広々した場所があったとはな」
大河「でしょ?ここならきっとよく見えるわよ……ほら!」
竜児「ああ…まじまじと見てみるとなんかくるものがあるな…」
大河「さあ竜児!お団子!」
竜児「風情はどこいったんだよ…ほらよ」
大河「もち米の神様いただきます!」
竜児「……これお月見か?」

大河「はあ〜…おいしかった♪」
竜児「花より団子、か…まあ大河らしいな」
大河「悪かったわね」
竜児「悪くねえよ、それが俺の好きな大河なんだからな」
大河「//!……よ、よくも恥ずかしがらずもそう…」
竜児「本心なんだ、仕方ないだろ?」
大河「………ばか……」




竜児「夜風が気持ちいいな…」
大河「きてよかったでしょ?」
竜児「おう、たまにはいいもんだな…にしてもきれいだな…」
大河「うん…」
竜児「大河みたいだ…」
大河「またあんたはそういうことを…」
竜児「満月みたいに存在感があってさ…月光みたいに優しくて心地いい光を俺にくれる…」
大河「…」
竜児「俺を支える俺だけの大切な月なんだ」
大河「//…あんただって」
竜児「?」
大河「……竜児だって同じじゃない。私を支えてくれる…いつだって見ていてくれる…私には竜児が輝いて見える…竜児も私の月なのよ…これからもずっと…」
竜児「…」
大河「…もう離れないよ」
竜児「…もう離さねえよ」

竜児「そろそろ帰るか」
大河「そうね…また来年もしようね」
竜児「おう」


月は二人に光を浴びせ続けた。夜空の月も、二人にしか見えない月も。
とある場所であった、お互いの【お月見】




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