「おーい大河、明日も早いんだから寝るぞ」
「うん、いま行くー」
ベッドルームに猫の足跡をあしらったネグリジェ姿ではいってきた大河は、竜児が
上掛けをめくった場所に、ちょこんと正座した。
「なんだよ、早く寝ろよ。風邪引くぞ」
ライトを消そうとした竜児が声をかける
「あのね、竜児。話があるの」
大河はほんの少しまじめな顔。なんだ?と聞く竜児に。
「あのね、 >>240 とか >>244 の言う通りだと、私って竜児より年上じゃない?」
「まぁ、ゆゆこの勘違いだと思うけど、厳密に言えば早生まれだからそうなるな」
「でもさ、普段は竜児が何もかも世話してくれてるよね」
「なんだよ。俺達夫婦なんだから別に恩に感じなくてもいいぞ」
「そういうわけじゃないんだけどさ、やっぱりさ、年上女房としてはさ、ときどき
年上らしくしてあげたりとかしたくなっちゃうのよね。その、威厳っていうか、
母性愛っていうか」
正座のままうつむいて、大河は両手の人差し指をつんつん合わせてる。
「何が言いたいんだ?」
顔を真っ赤にした大河が、かろうじて聞き取れる声で一言。
「…今日、私が上でもいい?」
「…お、おう」
高須家の夜の会話は、基本的に馬鹿馬鹿しくて聞いてられない。
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