竜児「思ったよりも人がいないな。少ないわけでもないが」
大河「良かったじゃない、スムーズに動けるし」
竜児「だな。にしても正月も仕事なんて、泰子忙しそうだな…やっぱ大人って大変だよな」
大河「不安?」
竜児「ん?」
大河「竜児自信も大人…社会人の一員になるってことによ」
竜児「不安…かもな。でも就職先が決まってホッとしてる気持ちと、そこで精一杯頑張る、って気持ちの方がでかいな」
大河「そう…………でも頑張りすぎないでね?無理しないでね?何もかもを1人で抱えないでね?…りゅ、竜児を受け止めて支えるくらいは…私にもできるから!///」
竜児「…おう、ありがとな。お前こそ、1人で全てを背負おうとするなよ?おまえは俺の大切な存在なんだからな」
大河「…よ、よくも恥ずかしがらずにそう…ゴニョゴニョ///」

さっきのおまえの台詞も…とは言わないでおいた。単純に嬉しかったから…





大河「むふふ〜」
竜児「リンゴ飴で随分幸せになれるんだな」
大河「だ〜って美味しいんだもん♪」

いつみても大河のこの笑顔にはやられる。やっぱり普通の女の子なんだよな。それを見つけた人は何人いるだろう…

竜児「よし、ついたな。え〜と…お賽銭は…っと」
大河「MOTTAINAI精神のあんたでもお賽銭はやるんだ?」
竜児「そりゃそうだ。流石に罰当たりなことはできん」
大河「…といいつつ手に持ってるのは1円玉に見えるんだけど」
竜児「おまえこそ1円玉じゃねえか」
大河「2円よ」

俺たちはケチなわけじゃない。お金を大切にする似た者同士なだけだ…と周りからは見られたい。





竜児「で?何をお願いしたんだ?」
大河「知りたい?」
竜児「おう」
大河「…みんな幸せになりますように、って…」
竜児「お、俺と同じだな」
大河「欲張りなお願いだったかな?」
竜児「そんなことはないだろう」
大河「だって合わせて3円よ?」
竜児「そういう意味でかよ」


大河「あ…この場所」
竜児「ん?どうかしたか?」
大河「去年、ここで北村くんに会ったんだ…」
竜児「それが?……ああ、そうか…」
大河「去年の初詣でお願いしちゃったことはすぐに叶ったんだよ…ふふ、北村くんの力もあったかもね」
竜児「…そうだな」

みんなに支えられて、幸せの第一歩を踏み出した。きっと大河と俺だけじゃ、どうにもならなかっただろう。俺たちはまだ小さい。





竜児「じゃあ帰るか」
大河「まって!たこ焼き買う!」
竜児「…よく食うな」

去年もこんなに出店があったっけか?…あ、去年は初詣できなかったんだよなあ…

大河「はふはふ…おいひい〜!」
竜児「さっそく青海苔ついてるぞ(フキフキ」
大河「竜児も食べたい?」
竜児「くれんのか?」
大河「1個だけよ」
竜児「わかってるって」
大河「はい、あ〜ん」
竜児「はぐはぐ…そこそこイケるな」
大河「もうあげないわよ」
竜児「わかってるってば」

つまようじの間接キス。これくらいはなれてきた気がする。

大河「ねえ竜児」
竜児「おう、なんだ?」
大河「みんな幸せ…本当にそうなればいいね」
竜児「…俺たちがそうするんだよ。感謝の意も込めてな…」
大河「私たちで?…できるかな…?」
竜児「誰かを支えることくらいできるはずだ。俺たちも支えられて幸せになったんだからな…」
大河「…そうだね、そうしよう!私たちで!」

この日、俺と大河はまた一段と近づいた気がする。これからもこうやって強く結ばれていくのだろう。そう思ったらまた一つ幸せになった。





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