ある日、夕飯の食材の買い物帰り。

大河「りゅうじー」
竜児「ん?なんだ?」
大河「手繋ごう?」
竜児「なんだ突然。こっちは両手に荷物で手が埋まってるんだよ」
大河「そんなの片手で持てば手空くじゃん」
竜児「簡単に言うな。三人分の食材の重みはダテじゃねーんだ」
大河「なんだ使えない駄犬ねー。せっかくご主事様が手をつないでやろうって言ってるのに」
竜児「使えなくて悪かったな」
大河「はいはいそーだったわね。あんたが使えないのは前からだったしね」
竜児「お前な・・・」
大河「だったら、一個くらい持ってあげてもいいよ・・・?」
竜児「えっ・・・。大河が持ってくれるのか?結構重いからいいよ」
大河「持ってやるって言ってんだからさっさと寄越しなさいよ」

グイッと荷物を分捕る大河。

大河「へへへ、これで片手空いたでしょ?」
竜児「すまんな持ってもらって」
大河「ハイッ」

笑顔満面に手を差し出す大河。

竜児「しょーがねーな・・・」

手を差し出し握る竜児。

大河「それじゃヤだ」
竜児「なんだ今度は。ちゃんと手を握ってるだろ?」
大河「そうじゃなくて、こうがいい」

指をからめて手を握り直す大河。

大河「へへへ、これで良しっ」
竜児「ったく、しょーがねーなー」

ぷらんぷらんと握り合った手を振りあう二人。
大河の笑顔につられ、竜児も自然と笑顔になる。

竜児「こんなのも・・・悪くないな」
大河「ん?なんか言った?」
竜児「いや、別に。そんなことよりとっとと帰ろうぜ。夕食の準備が遅れちまう」
大河「うん!!」


・・・という、ごくありふれた日常の一コマでした。





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