【話したくなる夢もある】

竜児「大河、え〜っと……なんだ……その……え〜い! ここは男らしくスパッと言ってやる!
   大河、俺はお前のことが好きだ! 何時からだなんて知らねぇ! 櫛枝とは駄目かもしれないからって理由じゃねぇ!
   お前が嫌うその体だって愛おしいし、恐れられているその性格も暴力も全部ひっくるめて好きだ! 文句あっか!?」

がばっ!

大河「…………」


大河「―――でねっ、あんたは顔を真っ赤にしながら『好きだー!』って告白してきたんだ!」
竜児「……へぇ」
大河「最後に『文句ある?』なんて悪態ついてたけど、絶対あれは照れ隠し! 今思い出しても笑えるわ、ぷくくっ!」
竜児「……かもな」
大河「あ〜、もう最悪!! な〜んで夢の中のあんたに告白されないといけないのよ!?」
竜児「……そりゃあ災難だったな」
大河「まったくよ、大体、私の体が愛おしいってどんだけエロイのよ、あんた。このエロエロッ!」
竜児「……夢の中の俺に代わって、現実の俺が謝るから勘弁してくれ。
   まだ4時だぞ……すっげぇ嫌だったのは判るがお前、なんでそんなにテンション高いんだよ」
大河「嫌だった、本当に嫌だったのよ!?」
竜児「……寝させろ」










【眠気が取れない寝起きの素が一番危ない】

竜児「……頼むから寝させろ」
大河「……まぁ、良いわ。あ〜、でもこのまま帰ってもう一回寝ても、夢の続きを見そうで怖いわ。
   下手したら告白をもう一回聞くことになりそ。あ〜、やだやだ」
竜児「……そんなに嫌だったのか?」
大河「あ、あったりまえじゃん! まだ、夢の中だけの事ってのが唯一の救いよ!」
竜児「ふぁ〜……、そりゃあ更に悪いことしたな」
大河「……? なにが?」
竜児「……あ〜、ねむっ……ん〜、それは正夢だったってことだ」
大河「ん〜?」
竜児「……現実でも嫌な思いさせることになって悪かったな、って話……ふわぁ、もう寝るぞ」
大河「ん? ん? ん?」
竜児「お前、ちゃんとベランダの戸、閉めて帰れよ……んじゃあ、おやすみ」
大河「えっ、あっ、うん」
竜児「ぐ〜、ぐ〜」
大河「あれ? えっ?」





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