『雛鳥』

クリスマスのあの日
私の前から姿を消したあなた
プレゼントは 素敵な思い出と 愛用のマフラー

わたしの声を受け
愛する人のために駆け出すあなた
私の叫びは 多分あなたには届かない 届けてはいけない

私は泣いた それは悲しみの涙
私は叫んだ それは私の産声
産声は夜空を貫き
涙はアスファルトに染み込んだ
やがて朝が来て 太陽が顔を出した時
私の心は灰となって空に舞うだろう
マフラーの香りなんて 知らない

求めれば壊れるのが
私の運命だというのならば
私は天使になろう
幸せを貪る悪魔よりも
幸せを与える天使になろう

私は泣いた それは愛情の涙
私は叫んだ それは愛の告白
告白は少し遅くて
涙はあなたの所に届かない
やがて朝が来て 太陽が顔を出した時
私の心は羽となって空に舞うだろう
幸せをはこぶ天使の羽

やがて朝が来て 太陽が顔を出した時
私の心は鳥となって空に舞うだろう
行き先が分からない 雛鳥





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