「竜児」
「なんだよ?」
「この手紙…なんなわけ?」
「…おいぃ!?お前俺の部屋に勝手に入ったな!?」
「なんでそんなに焦るの?やましい事でもあるの?」
「あいや…別にやましいって程の事じゃないんだが…」
「じゃあ答えてよ。この青いお・て・が・み☆の内容をさ?」
「…なんで言わないといけない?」
「やっぱり言いたくないんだ。じゃあ私読むね」
「はあ!?やめろって、こら!」
「えー何何…」
『一年生の寺元と言います。覚えていますか?入学したてで、
 友達の居なかった私に救いの手を差し伸べてくれましたよね。
 知り合いでもない人に「ブス」だとか言われて、イジメられてて
 そこへ貴方が偶然通りかかり、みんなを追い払ってくれましたよね。
 あれがきっかけで、イジメの中心人物と向き合えるようになりました。
 いまでは、別の人ですが友達がたくさんできて、とても楽しいです。
 その時から貴方の事が忘れられません。今日、放課後に体育館裏で待ってます』

「あぁ…別にお前が気にする事じゃないのに…」
「なんで?なんでそんな風に言えるの?私がいるのに、こんなに愛してるのに
 なんでほかの子に尻尾振るの?嫁に来いってあれ嘘だったの?ねぇ?」
「違う!その手紙は「うっさい!」ぶほぉ!」
「おま…いきなり股間を踏みつけるなんて卑怯だぞ…」
「うっさい。もう帰る」
「待てって!それは!その手紙は、俺が中学生の時貰ったやつだぞ!?」
「ひぇ?そうなの?」
「あぁ。初めて貰ったラブレターだから嬉しくて大事に取ってあったんだよ」
「…嬉しいですって?」
「あーはいはい嬉しかったですよ。でもな、付き合ったりしてねぇから!」
「ふぅん…でも一応会ったんだ?」
「おう…無視はしたくねぇからな。それで放課後に行ったんだよ。それがさ…」
「それが?」
「…会った瞬間涙目で逃げられた」
「ぷっ…あはは!何それ!なんでそんなやつに手紙出したわけ!?アハハハ!」
「話しによると泣いてたらしく、俺の顔が認識できなかったらしい。それで通りかかった先輩に名前を聞いたんだとよ」
「それで顔も知らないやつに恋して、自分で玉砕したってわけ?漫画のネタにもならないってアハハハ!」
「…で。なんでお前はそんなに気にしてたんだ?」
「うるさいわね…だって、その…っ…」
「聞こえねぇ」
「…!だからあんたがほかの女の子に興味持ったのかって心配になったの!悪い!?」
「おうっ…そうか、ごめんな。でもよ、お前のほうが俺より男にモテてさ…」
「…?何がいいたいの?私が誰にでも尻尾振るって?」
「違う!…その…そんだけ男に見られてるっていうのが…ちょっと悔しいというか…」
「大丈夫よ。告白してきたやつはもれなくアッパー&罵声を浴びせておいたから」
「だよな。実はというと北村にもちょっと妬いてる」
「でも今は」
「世界が隠したソレを」
「「見つけられたんだよな・ね!」」





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