竜児「悪質な冗談はやめて下さい。ぼくは死ぬかもしれないのですよ。
   ほら、ぼくの顔はだんだん蒼褪めていくではないですか。
   こうしている間に、大河がこけて膝を擦り剥いているんじゃないかと、
   それでしくしく泣いているんじゃないかと、
   舐めてやって傷口を消毒しないと化膿するんじゃないかと、
   そう思うと居ても立ってもいられないのです。
   これじゃ仕事にもいけません。
   ねっ、おしえて下さい。イシャはどこだ!この大河が好きすぎる病気を治してくれるイシャはどこなんですか!」
のた打ち回る竜児の横を楽団の影達が横切る。
竜児「そうだ。大河の顔を見れば何か思いつくかもしれない。おお、そうじゃ」
と言い残して空白の標識の立ち並ぶ線路沿いを、竜児は一人とぼとぼと歩いていくのでした。




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