「ちょっとー! りゅーじー?」
「ん?おう、何だ?」
「って、こっち向いて話しなさいよね? ねぇ、今晩はこのお肉にしよ。ね、ね、いいでしょ?」
「ああ…………」

「何よ、ぐずぐずしてるとレジで買ってきちゃうからね! ……ん? あんた、何見てんのよ?」
「ん。ああ、これか?何か新発売みたいだ」
「なっ!? あんたそれコンドームじゃない! ちょっと止めてよ! かのう屋でなんか買いたくないわ!」
「いや、でも、これ見てみろよ? 当社比薄さ1/20だってよ、すごくないか?」

「…………な、なんですって!?!? けっ、けっけっけしからん商品ね!こここここれは!!!」
「お……おい大河? そんなとこで固まるな! あああ、赤くなったまま俯いて凝視すんな!」
「そ、そんな…………そんな…………1/20って、にににじゅうぶぶんのいちなんて、そんな…………」

「おう?!?! おまえ、あ、あそこのおばさんと小学生にガン見されてっぞ! おい、おい!」
「りゅうじっ!!!!」
「な、何だよ? まぁ、これは今日はいいよな? まだ家にストックあるし……」

「わたしこれ買って帰る!!!!!!!!!!!」

「おおおおおう?! バカおまえ! 声がでかい! ああぁぁ、頼む、頼むから周りを見てくれぇええええ!」
「何言ってんのよ!! さぁ、早く買って帰るのよ! ほら! 早く!」
「コラ! 店の中を走んな! おい、この肉どうすんだ? おい、大河あああ!」

バン!

「いらっしゃ………ひぃー!! て、ってって、てのっりっ………」
「げ…………牛乳女じゃないのよ、なんだってこんな時に……チッ!」
「あ、いつもお世話になってます。珍しいですね、今日はバイトですか?」
「ほら! 早くレジ通しなさいよ!!!」
(……おい、大河。そんな背面の商品説明図を隠したっていくらなんでもバレるだろう)
「はっ! はいいい!」

ピッ!

「はい通った! じゃーもういいわね? 袋はいらないから!」
「あの……3150円になります。ってそれ何なんですか?」
「んが!? た、高いぞ大河! それは高い! なんてMOTTAINAI!!!!」
「これは台所用のゴム手袋よ! 超コンパクトで12回分入ってるの! そう思いなさい? じゃないと……」
「え? でも、ね、値段が! レジの故障か何かじゃ? もう一回通してみるから返してもらっても……」
「いや、待て! 待てって大河! やっぱり返品しよう。俺らにはちょっと贅沢すぎる」
「あーもう! あんたたち、うるさあああああああああい!!!!」








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