「ねえ竜児」
「んー?なんだ大河」
「私たちってさ、…結構キスしてるじゃない」
「……おぅ」
「毎朝登校する前と、竜児が家に帰るときと最低二回はしてるじゃない」
「そうだな…(本当はもっとしたいんだけどな////)」
「何赤くなってんのよ…まあ別にいいけど…」
「おぅ…それで、何かあったのか?」
「あのね、私たちは充分キス出来るけどさ…あっちの私たちはどうなのかなあって」
「あっち?」
「活字の世界と絵の世界の私たちよ」
「そうか…なるほどな」
「活字の世界の方は橋の上で竜児がいきなりキスしてきて以降してないじゃない」
「…おぅ、すまん」
「びっくりしたんだからね。嬉しかったから別にいいけど…/////」
「俺は、自分がおかしくなりそうだったぜ…」
「あんたがおかしいのは仕様でしょ」
「おいおい」
「そんなのも全部ひっくるめて竜児のこと愛してるからいいじゃないおかしくても…////」
「そ、そうか?////」
「とにかく、活字の世界は私がいなくなって一か月後の新学期に再会して仲良く手をつないで登校して終わりじゃない」
「そうだな。あのときはまた違うつらさだったぜ」
「ごめんね竜児。でも私だって寂しかった」
「おぅ。でも絵の世界の俺たちは卒業式まで一年間も会えなかったんだよな」
「私の決めたことだけど、やっぱり寂しくて泣いちゃった」
「すぐに飛んでいって抱き締めてやりたかったけど…その一年間の描写は無かったからな」
「そうなのよ!遺憾だわ!キスだってやっちゃんの実家でしたのが最後だったし!」
「あのあと翌朝にシーンが映ったのでエッチなことしたとか言われてるけど誓ってやってません」
「わわ私は…りゅ、竜児がしたいなら…良かったのに…」
「だってよぅ…避妊の用意してなかったじゃねえか…それに…風呂場が遠かったし」
「…まったく生真面目過ぎるわね。でもそういうとこ、好きだよ竜児」
「お前ってさりげなく惚気るのな…」
「ふふ、嫌?」
「嫌…じゃない。俺も好きだし…/////」
「なっ何こっ恥ずかしいこと言ってんのよ!わわ私から言うのはいいけど、許可無くあんたからすす好きなんて言わないでよ!」
「はいはい。すまんかった(ギュッ)」
「あっ…竜児/////」
「絵の世界のときもこんな風に言ったら頭突きもらったからな。これなら大丈夫だろ?」
「ぅ〜バカぁ…////」
「絵の世界はあそこで終わっちまったしな。キスどころか抱き締めてさえやれなかった」
「…そうよ。せっかく再会したのに頭突きで終わりなんてあんまりよ。スタッフは私たちのこと嫌いなのかしら!」
「日頃の行いが悪かったからじゃないのか〜?」
「何よ!まあ最初の頃は荒れてたのは認めるけど…」
「けど、今はすごくいい女の子になったじゃないか」
「あんたのおかげよ、竜児♥」
「俺だけじゃないさ。泰子に櫛枝や北村、川嶋やみんながいたから俺たち二人は成長出来たんだよ」
「本当、みんなにも感謝だねッ」
「もちろんお前自身の努力もあってこそだ。俺は嬉しい」
「ふふ、だって好きな人のために一生懸命になっちゃうのは当たり前だもん♪」
「…おぅ。かわいいぞ大河」
「…だからあんまり誉めないで…照れちゃう/////」
「重ね重ねすまん。でも正直な気持ちだ」
「わかってるわよ。えへへ////」
「おぅ…」



10分後。

「…ところで話の続きなんだけど」
「おぅ、そうだったな。すまん」
「絵の世界の方はあそこで終わったじゃない」
「そうだな」
「活字の世界は手をつないで恋人同士らしい雰囲気だったけど、絵の世界は頭突きじゃない」
「恋人もなにもあったもんじゃねえな」
「それに活字の世界はゆゆぽが短編書く予定あるけど絵の世界は完全終了じゃない」
「そうだな」
「DVDでその後とかやる見込みもないじゃない」
「…最終巻もきっとグルメ対決なんだろうなあ」
「ちょこちょこと本放送時と違うシーンがあるみたいだし、もしかしたら頭突きの後にその…キスシーンとかあるかもしれないけど…」
「どうなるかは全然分からないってことだな」
「だからね、竜児」
「おぅ…」
「活字の世界の私たちも、絵の世界の私たちも、もっとキスしたかったんじゃないかなぁって思ったの」
「そうか…ほんと優しいなお前ってやつは」
「何よ…あんたの方がずうっと優しいわよ/////」
「ありがとう大河。まあでも…」

チュッ

「…あっ//////」
「俺たちは、活字の世界の俺たちでもあり、絵の世界の俺たちでもある」
「…でも同時に活字の世界の私たちではないし絵の世界の私たちでもないじゃない」
「その通りだ。だけど…」

チュッ…クチュッ…んん…クチュッ…

「…はぁ〜〜〜っ/////」
「…ふぅ…////」
「何よいきなり…/////」
「…俺が大河を愛してるって事実は本物だってことさ」
「///////ぅぅ〜…私だって!私だって!」

ギュッ

「竜児のこと、愛してるんだからねっ!」




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