別荘if

旅行も明日で終わり、あと寝て起きて帰るだけか〜

だけど北村君と2人きりってだけであんなに疲れるなんて……… ふぅ〜 正直まいった。
竜児と2人なら何時間でも大丈夫なんだけど…… やっぱり竜児は家族みたいなもんだしね!

……ううん、違う。
やっぱり、わたし竜児を恋愛の対象として意識してるのかな? だからあんな夢を見たのかな?

正直に考えよう。

北村君と竜児…… うん、やっぱり今は北村君の方が好き!

 …………かな?

微妙だわ… 数字にしたら7対3? ううん、正直に6対4ってとこね。

コン!コン! 誰だろ?
「はい」
「ちびトラ、今イイ?」

ばかちー?なんだろ。なんか、いつもと雰囲気ちがうな……

「少しは楽しめた、祐作と過ごしてみて?」
「? …えぇ、それなりに」
「そう、それは良かったわ〜」

「ハァッ?あんた何が言いたいの?」
「べっつに〜」
「ナニ!!イライラするわね!」
 ………ドン!!
「こっちの方がイラついてるっーの!!みんなして隠して!高須君も祐作も実乃梨ちゃんも!」

「そしてあんたも!!」

「ちょ!ちょっと!ばかちー!!」
「私は川嶋亜美!! 川嶋亜美はどうしたらアンタたちの中に入れるのよ!」

「………私たちの中?」
「本当は気がついてるんでしょ、じぶ・ん・の………」
「じぶんの?……本心って事?かわしまさん …川嶋さん? ばかちー! ……寝てる」
コン!コン!
「大河!」
「…竜児」

「大河!何か凄い声がしてたけど大丈夫か?」
「うん、私は大丈夫。でも、ばかちーが……」
「川嶋が?うっ!このニオイ、酒だな」
「お酒?」
「あぁ、量は少ないみたいだけど。俺は泰子ので嗅ぎなれてるからな」


ばかちーは竜児が部屋に運んだ。女子の部屋に男だけはマズイと言われたので私も付いて行った。

そんな真面目な竜児は好きだから、プラス1ポイント!

でもばかちーをおんぶしてニヤケたから、マイナス1ポイント。




翌朝、ばかちーは部屋に来た事しか覚えていなかった。


私の本心か……

竜児とみのりんを応援する私

北村君が好きな私

竜児に惹かれてる私


どれが私の本心?

今はわからない……


だから今は全部が私の本心。



  ××××××



もぅ、帰って来ても主婦くさい事ばっかり言って〜 だからあんたは2ポイント足りないのよ、まったく!。


………こんな竜児が、私の1番になる未来があるのかな?


あっ、置いて行かないでよ。  ……マイナス1ポイント!

「なぁ〜 今日特売あんだよ」

「うるさいっての」

でも竜児、あとたったの2ポイントだよ!





夏休み明け

「高須君、おはよー!」
「ヨォ!川嶋。休みはどんなだった?」

「もう、仕事ばっかりでぇ………!!高須君にも逢えなくてつまんなかったぁ〜」
「ハァッ!?またお前は俺をからかって……もう腕を放してくれ」

このばかチワワだけは…… 竜児!何その顔は!!

「おはよう、川嶋さん。朝からお盛んね…」
「あら、逢坂さん居たの?わかんなかった〜!」
「フン!早く竜児を放せ!アンタも鼻の下伸ばしてデレデレすんな!!」

「なに〜逢坂さん。もしかして、やちもち?」
「!!」

……このチワワはこんな事にだけ敏感で!だったら他の所に気を使え!!

「俺がいつデレデレしてた!」

こっちの犬は鈍感だし!!

「ハァァ!ばかちーごときにこの駄犬がぁ〜! マイナス1ポイント!!!……ハッ!」

私なにを言って……

「ハァッ?」
「エッ?なぁに〜そのポイントって?」

あんたは黙ってろ!でもなんて言えば……

「そっ!それは…… そう!犬が主人の為に奉仕するのは当然だけど、優しい私はご褒美もって…」

よし!!良くやった、私!

「へぇ〜 ポイントが貯まったらご褒美あげるの、逢坂さんが?
   良かったねぇ〜高須君、ご褒美だって!」フフッ
「…なんだ?それ」

「もっ!もっと主人の為に頑張りなさいってことよ!鈍犬!アンタも頑張り次第では……」

「頑張り次第では?どうなるの逢坂さん!」

このバカチワワだけは……… 言ったる!!本当の自分の気持ちを言ってやるよ!


「………立派な犬になれる」
「成りたかねぇぞ!そんなもん! お前たちは朝から… 先に行くからな」

ハハハ……… 無理、言えない。

「……アンタも」
「…何よ」
「頑張り次第ね」
「…何が」
「何でもねぇー ア〜ァ休み明けから亜美ちゃん、だる〜い」




修学旅行明け


私が望んでも手に入れられない、これ以上は竜児に迷惑をかけるだけだ。
これで最後にしよう。

「大河!!連絡もしないで何処にいってたんだ!」

「悪かったわよ、連絡もしないで。とにかく中に入れて話しがあるの」



××××××



「ほら、お茶。話しってなんだ」

「ありがとう。私ね、一人で頑張るって決めたの。もう竜児の家には来ないしお弁当も要らない。」

「オマエなんでそんな事」

「アンタとみのりんの為よ……。まだ望みがある、みのりんは竜児の事が好き」

「そんな事………」
「自信を持ちなさい!信じていれば大丈夫だから……… 帰るね」

「…………貰ってねぇぞ」
「…なにを」

「褒美を貰ってない。………今までお前の面倒をみたんだ、褒美をくれ」

「うん、良いよ」

「だったら、さっき言った事を取り消してくれ」

「……ありがとう、竜児。でも、それは出来ないの」
「何で!」

「ごめんなさい、本当に嬉しいけど無理。」

「でもご褒美はあげる。これが精一杯の私から出来る、竜児への気持ち。受け取って……」

竜児とした初めてのキスはしょっぱかった………









一年後

「りゅ〜じ、私の『よい子ポイント』貯まってる?」

「オゥ!キス5回分はあるな」

「えぇ〜 昨日も7回もしたのに?竜児のエッチ!」

「なんだ、大河は嫌なのか?」

「イヤじゃないけど…… だって最近、竜児のキスがエッチなんだもん///」

「だろ!勉強してるんだよ。だから早速、勉強の成果を」

「うん///」




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