「そういやなんでいきなり俺誘って下着買いに出かけたんだ?」

「だってほら、衣替えしたじゃない」

「それが何か関係あるか?」

「大ありよ。今はベスト着てるけどもうすぐ暑くて着てらんなくなるのよ」

「!!そうか、そういうことか。女子はいろいろと大変だな」

「鈍いアンタにしては勘が冴えてるわね。だから見られてもいいようなのを買おうと思ったのよ」

「透けること前提なのかよ」

「当然じゃない。男子に見られるのも想定済み。まあ何か言ってちょっかい出してきたらきつーくお仕置きするけどね」

「すまん」

「なんで謝るの?」

「俺も男だから透けてたりするとつい目が行っちまう気持ちはわかる。でもそのことで嫌な思いさせるのもごめんだ」

「変に真面目なんだから。それに私は別に竜児になら見られてもいいのよ?そのために今日つきあわせたんだからね」

「ちょ、お、俺は別に見たいわけじゃ…」

「遠慮しなくていいのよ。ほらほら♪」

「よ、嫁入り前の娘がそんな胸元ひらひら開けたりしちゃいけません!」

「ふふふ、本当に純情なんだから竜児ってば♪」

「あんまりからかわないでくれよ…どうにかなっちまいそうだ」

「まあこのへんにしといてあげるわ。今日は本当にどうもありがとう」

「…おぅ」

見つめあう二人。重なる唇。
これから訪れる夏に向けてまた一歩近づいた二人であった。





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