「……ねえ竜児、私達何してるのかな?」
「生徒会室で北村の手伝い、だな」
「そうじゃなくて」
「具体的に言うなら、体育祭の競技ごとの参加者リスト作りだ」
「……」
「……」
「……北村君達、帰っちゃったよね」
「時間かかってるのは俺達の手際が悪いせいだからな。
 他の人間に付き合わせるわけにはいかねえだろ」
「……」
「……」
「……なんでこんなことになってるのかしら」
「事故とはいえ、富家幸太に怪我させちまったのはお前だろう」
「私も怪我したわよ?」
「お前のはちょっとした擦り傷だろ? あいつは足首捻挫で自宅療養中だ」
「……」
「……」
「……ねえ竜児、放課後の教室に二人っきりってドキドキしない?」
「……」
「……ここなら少しぐらい声出しても他の人には聞こえないわよね」
「……いいから口より手を動かせ」
「ぶー。竜児のケチ。真面目犬」
「……そ、そういうのは、仕事を全部終らせてから、な」
「……このエロ犬」
「お、お前が言い出したんじゃねえか!」
「はいはい、ちゃっちゃと作業終らせるわよ。ご褒美はその後」
「……」
「……」

ギシギシアンアン





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