◇ ◇ ◇

・フラグ立て

「大河ぁ、今日は何食べたい?」
「ドラゴンの丸焼き」
「あー、ドラゴンは売ってねえなあ」
「あんたの丸焼きよ」
「おう、おまえに食わすモンがひとっつも無くなったらな。いいぞ、俺を食え」
「うぐ……やだやだやだ今日食べるの!」



・悪夢

 1回目。
「どうか、どうか一緒になって下さい! 一匹ぽっちじゃ生きられねえ、どうか俺と結婚して下さい!」
「仕方ない……あんたがそこまで言うんなら、やぶさかではないわねえ」

 3回目
「どうか、どうか一緒になって下さい! 一匹ぽっちじゃ生きられねえ、どうか俺と結婚して下さい!」
「し、仕方ないわね……ああああんたがそこまで言うんなら、やさ、やぶか、やぶさかではないわ!」

 18回目
「どうか、どうか一緒になって下さい! 一匹ぽっちじゃ生きられねえ、どうか俺と」
「結婚して、って言うんでしょ。私知ってる。ねえ、あんた本気なの? 私で、いいの……?」

 37回目
「どうか、どうか一緒になって下さい! 一匹ぽっちじゃ生きられ」
「私だって駄目だもん! あんたがいなくちゃ嫌なの……っ!」

 62回目
「どうか、どうか一緒になって下さ」
「いいわよ」

 63回目
「どうか、ど」
「よくてよ」

 83回目
「ど」
「うん!」

 ――なんなんだ、どんどん悪化している気がする。なぜだ……?
 今朝も口をあけて待機している大河に、「あーん」と手づから飯を与えながら、
 竜児はしきりに首をひねっていた。


◇ ◇ ◇




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