遊園地にて
「お、ジェットコースターだ。大河、次はあれ行こうぜ!」
「じぇっと……こーすたー……」
「ああ。って大河もしかして……」
「こここ怖くなんてぜんっぜんないんだから! 行きましょ竜児! たたた楽しみだわー」グイッ
「え、あ、おい大河……」
「結構並んだなー」
「いいいいよいよね……スゥーハァー」
「なぁ大河……無理しなくていいんだぞ?」
「無理なんかしてないもん! 大丈夫だもん!」
「……そうか」
ガタッ
「お、動き出した!楽しみだなぁ大河?」
「ああああのね竜児」
「ん?」
「だめなの!」
「……もう、止まらんぞ?」
「だ!め!な!の!」
「おいおい、暴れると危ないって……お、来るぞ来るぞー」
「いやぁぁぁぁぁ」ガシッ
「……そのまま掴まっとけ、大河」「やだぁぁぁぁぁぁ」ギュウウウ
ガタン……カタン……カタ……
「いーやっほぉぉぉ!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ」
「あっはっはっは」
「 」
プシュゥー……ピタ
「あー終わっちまった。大丈夫か? 大河?」
「 」
「大河?」
「ハッ!……ままままぁまぁね!まぁまぁ……」
「……ごめんな? 怖い思いさせて」
「怖くなんてなかったもん!……その……りゅうじと一緒だったから……」
「大河……」
「お!写真だ」
「見なくていい」
「せっかくじゃねーか。見るだけ見てこうぜ」
「……知らない」
「どれどれ……お、これか。プッ……あっはっはっは!」
「笑わないでよ……」
「ごめんごめん! しかし大河」
「何よ……」
「やっぱりお前はかわいいな」
「!!……遺憾だわ」
目をつぶり、涙を浮かべて絶叫しながらしっかり竜児にしがみつく大河の写真は、今でも高須家の壁に飾ってあるそうな。
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