「てわけで、竜児。私達埋め立てしなきゃいけないんじゃない?」
「なんだよいきなり」
「スレの空気読みなさいよ。早く埋めないと長編書いてもらえないよね」
「しかしおまえ、このスレでこの会話構成は…」
「そうね、ギギギギギギギシアンって言うのかしら。ちょっと下品よね」
「おう、正直衆目監視の下でやるってのは気が乗らないんだが」
「やるってなによ、やるって。いやらしいんだから」
「なんだよお前…て、喧嘩しても仕方ないか」
「そうね。仕方ないわよね。ねえ、竜児。なんかネタ無いの?」
「正直、ねぇ。用意してなかった」
「困ったわね。これ書いてる作者、まじでネタ無しで書いてるわよ」
「そんなに切羽詰まるようなことか」
「最近筆が進まなくて頭を抱えているみたい」
「いい年のおっさんが高校生の恋愛小説のSS書けないからって頭抱えなくていいだろうに」
「そうよね。キモイ話よね。ねぇ、竜児どうしよう」
「まいったな。なんかリクエストあったか?」
「リクエストあっても応じられるのかしら…なに、ヤンデレなに?」
「病んだ女の子が恋に落ちてデレデレするギャップがいいらしいぞ」
「何それキモ!私の柄じゃないわよ」
「そうだよなぁ『とらドラ!』のキャラでヤンデレって感じの子はいないよな」
「あ、ばかチー…」
「川嶋は違うだろう」
「…を追っかけていたストーカー。あの変態キモ男がばかチーの愛の力でデレデレになるのよ。ボンっ!ってね」
「…やめといてやれ」


「って1KBしか減ってないわよ。どうするのよ!」
「どうしよう。ヤンデレネタじゃないけど、とらドラ!はツンデレって言われたな。お前のくぎゅだし」
「くぎゅの演技は本当にすばらしかったけど、私はツンデレとかじゃないわ。デレデレしてないもん」
「3年の登校の時してたろ」
「そ、そうかな?」
「『大好きな竜児!』って言葉は、結構効いたぞ」
「そそそそそうだったかしら」
「ま、ツンツンはしてないよな。俺、ボコボコにされてばっかだったぞ。ボコデレ」
「なによそれ」
「ツンデレのパターンも踏襲してなかったし」
「パターンがあるの?」
「あるだろ。『お弁当作り過ぎちゃったから、お腹すいてるなら食べたら?あ、あんたの為に作ったんじゃないんだからね!』とか」
「…キモ」
「お前の場合、弁当作らないしな」
「…」
「作ってたの俺だ」
「…」
「たとえ作ったとして、作りすぎたらその場で食うのがお前だ」
「なによ、竜児の意地悪」
「悪い悪い、怒るなって」
「すぐそうやってからかうんだから」
「よしよし泣くな。今晩好きなもの作ってやるから」
「すぐそうやって食べ物で釣る。ばかにしちゃって」
「すまんすまん、何が食べたい?とんかつ?」
「うん、とんかつがいい!!!!…………っ!!」
「…ぷっ」
「笑うなバカ竜児!」
「わかったわかった、とんかつな」
「みみみみ、ミルフィーユとんかつ作ってくれるかしら」
「大河の望みのままにだ」
「やった!」



「2KB減ったわね」
「冷蔵庫の肉も減ったぞ」
「2Kgも食べてないわよ!」
「誰も文句言ってないだろう。お前が喜ぶ限り飯は作ってやる」
「えへっ。私も竜児の為にお料理勉強してるから、食べさせてあげるね」
「お、おう」
「で、話が進まないんだけど。なんか理系の話無い?」
「なぜ理系?」
「あんた理系じゃない」
「…、じゃ、日食の時には木陰を探せ」
「は?」
「木漏れ日が日食の形になるから安全且つ楽しく観測が出来る」
「へー、そうなんだ。私望遠鏡で見るのかと」
「望遠鏡高いだろう。木漏れ日は只だからな」
「なるほどね」
「あと、アメリカでもオリオン座の形はオリオン座だ」
「へーそうなんだ」
「つか、ゆゆこ勘違いにも程があるな」
「あれ、あんたと北村君が勘違いしてるって話じゃないの?」
「だとしたら悲しすぎるな」


「さらに1kg減ったわね」
「1KBだ。だんだん苦しくなってきた。表示は8kBか。原稿用紙15枚程度か」
「10枚じゃないの?」
「びっちりは書かないだろう。改行した分は開けるからな」
「あ、そうか」
「新聞小説は1日5枚くらいみたいだぞ」
「へぇ、それで食っていけるなんてチョロい仕事ね」
「ちょろくねぇだろう。原稿用紙1日5枚で『翔ぶが如く』を書き上げる自信はおれにはねぇ」
「おおげさねぇ」
「んなことない」




「どうすんのよ!全然減らないわよ!」
「くっ…」
「ねぇねぇ、2−Cの子だったら誰が好き?」
「バカ、そんな話今更振るな!」
「まぁ、みのりんはこの際除外よ。話し終わっちゃうもん。でも健全な男子なんだからさぁ。あったでしょ」
「なにが」
「男子同士で女子の品評会とか?あんな服着せてみたいとか?」
「…っ!」
「ぷぷぷ、図星みたいね。ねぇねぇ、誰?」
「あーうー」
「ばかちーには結構よろめいてたんじゃない?」
「むぅ。俺は最初っから本性見てたからな。お前が想像するほどよろめいてなかったとおもうぞ。
ただ、正直本性見ていても間近でいたぶられるとクラクラしたな」
「いたぶられたんだ」
「めちゃめちゃからかわれた」
「ぷぷぷ。まぁ、竜児はからかわれたつもりでも、ばかちーは本気だったかもよ」
「あいつわかんないんだよ。煙に巻くから」
「そこはばかチーの悪い所よね。あれじゃ通じないわよ」
「お前もそうとう本音を隠してたけどな」
「…」
「そうやって、ぷぃっと横を向くときって、かわいいぞ」
「なに笑ってんのよ!バカ犬!」
「あはは、怒るなおこるな。よーし確実に494kBいったろ」
「ふん、まぁリアルタイムで書いている努力に免じて、コーヒーを飲んでくることを許してやるわ」



「493kBしか行ってないじゃない。あ、でもコーヒー飲んでる間に2レスあったわね」
「あと6KBか。遠いな」
「仕事中とか進むのにねぇ」
「おま、やめろって」
「それでさ、ばかチーじゃないなら誰なのよ」
「もうこの話やめようぜ」
「ま、2−Cの男共の注目を浴びて居たといえば、香椎と木原よねぇ」
「そ、そうだな」
「やっぱり竜児としては香椎奈々子かしら?」
「ま、まぁそんなところかな。家庭的だしなぁ」
「スタイルいいしね」
「やさしいしな」
「お色気ぼくろだし」
「やめろ、そんな言い方」
「結構似合いのカップルだったんじゃないかしら。家庭環境似てるし」
「そうかもしれないなぁ、某方面にはナナドラというジャンルがあるらしいし」
「なにそれ」
「奈々子と竜児」
「…」
「進級初日にお前にびびらされた俺を可哀想に思った香椎が声を掛けてきて、やがて二人は仲良くなり
互いのよく似た環境もあって、お互いを心の支えとするようになる」
「…」
「怒ったか?」
「おおお怒ってなんかないわよ。こここんなのただのおしゃべりじゃない。さ、続けて」
「でもまぁ、怒濤の展開はないわな」
「どうして?」
「だって、香椎は自分で弁当作るだろう。飢え死にもしないだろうから、一緒に生活する必要もない
あって交換弁当くらいか」
「なにそれ」
「1日置きに互いの弁当を作るとかどうだ?」
「ラノベのマーケットは非モテなんだから、やり過ぎじゃない?」
「お前は言い過ぎだ」
「ドジっ子イベントもないから1巻で終了だな」



「あと5kBよ、竜児。頑張って!」
「いや、頑張ってるのは何のシナリオもなしに書いているこいつだ」
「日曜日の晩だというのに団らんとか無いのかしら」
「言ってやるなよ」
「で、香椎じゃないとしたら、木原かしら?」
「うーん。進級当時は結構ポイント高かったんだけどな」
「けど、なによ」
「ギャル系怖いんだよ」
「ぷぷぷ、怖いのはあんたの目よ。木原にすごまれて気絶する奴は居ないけど、
あんたの目で気絶する奴は確実に総人口の1%を超えるわね」
「何話していいかわからないし」
「竜児、そもそも誰が開いてでも女の子とトークなんて出来ないじゃない」
「お前!なんだよそれ。ちゃんとお前の相手してやったろ」
「違うわね。あんたのはルーチンかリアクションのどれかよ」
「『おう、おはよう、早く食え、弁当持ってきたぞ、なにやってんだ、体でも悪いのか、何するんだよ』ってところよ。
基本的にお母さん+被害者が竜児の語彙ね」
「お前そんな風に見てたのかよ!」
「ごめんごめん。怒らないでよ竜児ぃ。今はそんな風に思ってないから」
「前は思ってたんじゃないか」
「まぁ、まぁ、押さえて押さえて。『とらドラ!』で竜児が切れちゃうとストーリーが破綻するから」
「そんな役回り」
「真打ち後からっていうじゃない。竜児が切れるのは私の事を想ってくれる時だけでいいのよ」
「便利君かよ」
「ナイト様よ」
「ま、そういうことにしとくか」
「よーし次行っててみよう!」
「って、連投大丈夫か?」



「あと3kB!」
「kB単位だから、急に進むと次の投稿は反動であまり数字が減らないんだよな」
「気にしない気にしない」
「さて、マジにネタが無いんだが」
「じゃぁ、仕方ない。とっておきのあれで」
「なんだ?」
「竜児が無神経だって話」
「なに、このきれい好きの俺の何が無神経だって言うんだよ」
「女の子に対する細やかさが足りないってこと。Aka 鈍感」
「英語混ぜるなよ」
「鈍感過ぎて、みのりんとかばかちーの気持ちをわかってあげてないわよね」
「そんなことねぇぞ。俺はあいつ等の気持ちだって一所懸命…」
「9巻で面と向かってばかちーに非難されてるくせに」
「う」
「7巻でもかなりストレートに言われてるのに気づかないものね」
「あぐ」
「ま、しょうがないか。4巻で話ががらっと変わっているのに、竜児は空気読めないんだもん」
「なんだそりゃ」
「4巻でラブコメはおしまい。5巻からは恋愛小説なの」
「ま、確かにそうは言われてるけど…」
「小説の構造まで変わったのに、竜児はずっとマイペースだったものね」
「なんだよ構造って、知ったかぶりかよ」
「おやぁ、竜児さん。私の専攻わすれちゃった?」
「…英文科」
「ぷぷぷ。理系犬の竜児君には想像できないせかいよね」
「お前だってファッション雑誌くらいしか読んでなかったくせに」
「だって、彼氏が出来て落ち着いちゃったから一杯本読めたんだもーん」
「俺のおかげじゃないか」
「おこらないおこらない」
「はいはい。で、構造って何だよ」
「そうね。もともと『とらドラ!』は高須竜児の物語なのよ。知ってた?」
「え?ヒロインお前だろ」
「そうだけど、物語はあんた視点なのよ。あるいはあんたを見ているゆゆこの視点」
「言われてみれば」
「ほら気づいてない。これだから主婦は」
「誰だよ主婦って」
「とにかく竜児視点なの。だから、竜児にわからないことは読者にもわからない。
神様の視点もあるから竜児よりはわかりやすいけど、物理的に竜児から見えないものは見えない」
「そんな話だっけ」
「そうよ。もちろん例外はあるわよ。たとえば1巻の終わりで竜児が目をつぶったときに私の表情が描かれてる。1巻確認してみて」
「あ、ほんとだ」
「3巻の市民プールのシーン。怒った私が決定的な一言を言うんだけど、ドジっ子の竜児はプールに落ちてるから聞こえない。
でも、ちゃんと描かれてる」
「お前にドジ呼ばわりされるとは…でもほんとだ」
「ほんの少しの例外はあるけど、竜児か、竜児の側にいる神の視点なの。ところが、4巻の花火のシーンで一変するのよ。
調査の為に4巻にとんだ我々は驚いた」
「それ、別の作品な」




「あと1kB!」
「この話終わらないんじゃないか?」
「まぁいいじゃない」
「いいのか?」
「とにかく、それまでわずかな例外を除いて竜児視点だったのに、4巻の花火シーンでは、
いきなり多視点の大盤振る舞いよ」
「どういうことだ?」
「竜児の視界にはいっていないものの描写が多いのよ。私とか、ばかちーとか。あと、竜児から顔をそらしている
ばかちーの瞳の描写とか」
「ほんとだ、大盤振る舞いだな」
「開けて次の日、電車の中は完全に私視点よ。最初のころと小説の構造が変わってる」
「おう、すげぇな」
「でしょ。要するに、夏の旅行以降、竜児の心情と竜児が理解出来る心情を描くだけでは『とらドラ!』を記述できなくなるの」
「話が広がったって事か」
「そうね。高須竜児の物語と並んで、逢坂大河の物語、櫛枝実乃梨の物語、川嶋亜美の物語がはっきりとした流れとして
描かれるようになるわ。4巻の旅行から帰ってきたときから、『とらドラ!』は名実共に第二部ね」
「なんか俺が無神経だって話じゃなくなったな」
「なに言ってるのよ。竜児が鈍感だから竜児視点じゃ物語を描けなくなったんじゃない!」
「えーーーっ!」
「このあとUFOとか、糸とか、星とか、かまくらとか、いろいろ暗喩があるんだけど、竜児わかってなかったでしょ」
「え、あ、ちょっと待て。糸はわかると思う。俺の心理描写だし」
「そうかもね。それがオーナメントから来ている事に気づいていればいいけど」
「へ?」
「ほら気づいていない」
「なんだよそれ」
「教えてあげてもいいけど、そろそろスレも埋まったみたい」
「おい、ここまで来て生殺しかよ」
「これ書いてる奴もネタとして未消化なのよ。じゃ、皆さん、機会があったらまたお会いしましょう」
「ちょ、待てって。おい!」
「さよなら、さよなら、さよなら」
「古っ」



作品一覧ページに戻る   TOPにもどる
inserted by FC2 system