大河がプリプリ怒ってる、可愛いヤツめ。何をそんなに怒ってるのかなぁ〜?

「どうしたんだい?大河」

「みのりん!聞いてよ、竜児たらさぁ…」

あぁ、また高須君か…
悪い人じゃないんだけど少し鈍チンだからねぇ。

「もう今回は謝っても許してあげないんだから!」

「まあまぁ、そんなに怒んないで」

「何で竜児なんか好きなったんだろ、本当に後悔するわ」

「………そんなこと言ちゃダメだよ」

「えっ、何?みのりん」

「好きになって後悔するとか言わないでよ、大河」
「そんな事を言われたら悲しいよ ……高須君は私の初恋だったんだよ」

「…ごめん、みのりん」

「大河にとって高須君はその程度だったの?そんな筈ないよね?」

「うん、竜児は私の初恋じゃないけど運命の人だと思ってる」
「私はいろんな事があって一度全てを諦めたの… まるで海に沈んでゆくみたいだった、徐々に光は無くなって暗闇に呑まれる感じ」

「でも呑み込まれる寸前、最後に伸ばした手を竜児は掴んでくれた」
「だからその時に誓ったの。竜児が私の隣に居てくれる限り、掴んだこの手を絶対に離さないって」

「だから、その…」



「それで十分だよ、大河」
「それだけ大河が高須君の事を想ってるなら、私は報われる」

「でも、羨ましいよ。そんなに深く想える人が居るなんてさぁ、いつか私にもそんな人が現るのかな?」

「大丈夫だよ!みのりんは可愛いし、スタイルだって良いだから」

「そんな事ないよ〜 ダイエットに明け暮れる毎日だしさぁ」

「そんな事ない!身長もあるし、ウエストも締まってる、それに私より……も大きいし」

「えっ、なに?」

「…わたしより胸も大きいし」

「何だそんなことか、大丈夫だよ!大河もまだ大きくなるよ」

「そうかな?」

「……無理かもね」

「そんなぁ…」

「嘘だよ〜ん。大丈夫さぁ!胸は揉む程に大きくなる!」

ちょっと言い過ぎたかな?
さっきの仕返しさ!
でも、これが私から大河への最初で最後の意地悪。

私と大河は一人の男を巡って物語を共にした戦友だから。
まぁ今回は主役は逃したけど、私には次の物語ががきっとある筈だから。

「高須君、発見!オーイ高須く〜ん」

「何だ?櫛枝」

「キーワードは『揉むチチ』だぜ!」





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