【孔明の罠】

竜児「ああ〜、インコちゃんどこいったんだ!?」
北村「おお、高須。どうしたんだ、そんなに慌てて?」
竜児「おうっ、北村! お前、インコちゃん見なかったか?」
北村「いや、見ていないが……。もしかして逃げたのか?」
竜児「ああ。どうやったのかは判らんが籠の扉が開いた状態で、既にインコちゃんがいなかった……」
北村「ふむ、親友が困っているんだ、ここは俺がなんとかしてみよう」
竜児「すまん、北村……」


竜児「……で、あれは何だ?」
北村「何って……罠だろう、どう見ても」
竜児「このご時世、大きな籠に、点々と散らばる米粒の罠はないだろう……」
北村「初心忘れるべからず、だ。まぁ見ていろ、直ぐに結果が―――」

ピリリリ! ピリリリ!

北村「むっ、携帯に反応! 罠が作動したぞ!」
竜児「なんでそこだけハイテクなんだよ……大体、初心はどこ行ったんだよ……」
北村「どれどれ、中身は……っと」


大河「くそっ、何だコレは!? 何なんだ、一体!?」
竜児「……お前は食べ物だったら何でも有りなのか……?」




【やっぱ気持ちでしょ】

大河「ねぇ、竜児。これ、なに?」
竜児「おうっ!? お前勝手に人の部屋漁るなよな……」
大河「もしかしてみのりんへのプレゼント……?」
竜児「いや、ちが……って全然違うってわけじゃないんだが……その……」
大河「……まぁ、別に良いけどさ、もうちょっとみのりんらしいの選んだ方が良かったんじゃない?」
竜児「げっ!? もしかしてセンス悪かったりするわけか?」
大河「別にこういうのは気持ちの問題でしょ。センスの良し悪しじゃあないわ」
竜児「いやいや、そうは言うが気になる! って言うか突っ込んできたのはお前じゃねぇか……。
   まぁ、そんなことは置いといて……大河、お前はどう思う!?」
大河「……じゃあはっきり言うわ、ダサイッ!」
竜児「おうっ!? やっぱりか……だぁ〜! しくったぁ〜!」
大河「……大体こういうの買うなら私に相談ぐらいしなさいよ、そしたらもう少しマシなやつ選んだわよ」
竜児「いや、お前が選んじゃ意味ないだろ」
大河「はぁ!? 何でよ!?」

竜児「それお前へのプレゼントなんだから」

大河「…………えっ?」
竜児「お前、来週誕生日だろ、驚かそうと思ってたんだがなぁ……。しかし、センス悪いかぁ〜! まさか?もしや?と思ってたが……。
   ああ〜もう、こんなことなら泰子に頼めば良かった……、完全俺のミスだ……、すまん、大河。それ交換――――」
大河「竜児!!」
竜児「おうっ!?」

大河「…………一生大切にする」
竜児「…………おう」






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