「みなさん、3週間のご無沙汰でした」
「おう、誰に言ってるんだよ」
「誰って、スレ読者に決まってるじゃない。新スレ立ったんだから、早いところ誰も読んでないこのスレ埋めるわよ」
「読者が居ると思ってるのか居ないと思ってるのかどっちなんだよ」
「どっちでもいいの。はいはい、竜児も何か挨拶して」
「お、おう。よ、よろしくな」
「…」
「なんだよ」
「ごめん、竜児。私が悪かった。もう、あんたには挨拶させないから。安心して」
「なんだよその冷ややかな口調。却って傷つくから止めてくれよ!」
「ま、竜児が挨拶も出来ないショボ犬って話は置いといて、埋めネタを考えましょう」
「ショボ犬…」
「なんでもいいのよ。で、何か考えてきた?」
「何を?」
「ネタよ!」
「え、いや。何も」
「あんたね、自覚あるの?ちゃんと埋めないとギギギギシアンばかりで長編描いてもらえないのよ」
「ギギギギシアンルーレット」
「な・ん・で・す・っ・て・?」
「いてててて、やめろやめろ、毛が抜ける!」
「まったくもう。どうして竜児はこうなのかしら。プロポーズするために河に飛び込んでくれた竜児はどこへ行ったの?」
「俺は飛び込んだんじゃない、突き落とされたんだ」
「どっちでもいいじゃない。同じよ」
「全然違う」


「たった今調べたら516文字だったわ」
「1KBか。厳しいな」
「ねぇ、何でもいいから話してよ」
「ぐは、難しいな。中国産のウナギ、結構売れてたぞ」
「去年あんなに大騒ぎしたのに」
「まあ、中国産だから危険って決まってるわけじゃないからな。日本産だから安全ってわけじゃないし。リスクの高低はあるだろうけど」
「お店で食べたら安全なのかしら」
「お店次第だろう」
「どこで食べればいいのよ!」
「大河、お前の分だけは俺が全力で作ってやる。やれるだけのことはやって、なるべく安全で、なるべく栄養のバランスの取れた飯を作ってやる」
「にゃー」
「どうした」
「幸せ過ぎて力が入らない」

「お願い、竜児。もう何でもいいから話して」
「おう…あ、アニメの最初のOP、櫛枝の歩き方変だな」
「そうねぇ。ちょっと変よねぇ」
「すごく変だよ。あれさ、変な奴だからそう描かれているのかと思ったけど、そうじゃなくて早足でトレーニングしているイメージなのかな」
「なんで?」
「なんとなく」
「却下」
「じゃ、この話これで終了だ」
「待って、嘘、嘘。却下しない。これじゃ埋まらないよ。みのりんってあんな風に歩いてたっけ」
「どうだろう。どっちかというと、走ってないか?スピン・オフの『虎、肥ゆる秋』によると、飯食ったら1時間全力疾走、トイレに立ったら1時間全力疾走してるぞ。あと部活2時間全力疾走だ。家に帰るときは駆け足だ」
「…あの設定だもんね。みのりん変だよ」
「だけど、あのスピン・オフの設定はちょっと本編と合わないんだよ」
「どう合わないの?」
「5巻の福男のシーンでさ、校庭で俺が櫛枝にぶち抜かれるんだけど、『スタミナで劣る実乃梨の背がわずかに近づく』ってある。ありえねぇだろ」
「あり得ない、あり得ない。2時間全力疾走とか笑って言ってるみのりんがスタミナで竜児に負けるわけ無いよ」
「ま、深いツッコミは無しだな」
「それにしても、竜児よく見つけたわね。さすが粘着犬」
「うるせえ」


「あとは、あとは何かないの?」
「ねぇ。残念だが、ねぇ」
「嘘嘘!竜児お願い。お話してぇ!」
「くっ…お前はねぇのかよ」
「私?私は…不満しかないよ」
「なんだそれ」
「あとは竜児のお嫁さんになるだけだから、深いことは考えないの。竜児が好き。世界には何も期待してない。世界に対して抱くのは不満だけ」
「おう、頼むからもうすこしポジティブになってくれ」
「だって」
「じゃ、わかった。不満聞かせろ。何が不満なんだよ。俺で解決出来ることは解決してやるからさ」
「そう?じゃぁわかった。言う」
「よし、言ってみろ」
「このスレ嫌い」
「おま、何てことを!」
「だって、このスレの私って馬鹿みたいじゃない。なによ」
「なによって、お前。せっかく書いてもらってるんだから」
「書いて貰ってるって。このスレの私、なあに?わがまま撒き散らしてして竜児と喧嘩してしがみついて泣いて仲良くなって終わりって話ばっかりじゃない」
「やめろ、今の話なかったことにしよ。な、な」
「ヒロイン泣かせば読者が喜ぶって、どんだけ頭悪いのよ」
「大河、頼むやめてくれ」
「『宇宙戦艦ヤマト』と同じよね。困ったら一人ずつ殺すんでしょ。とらドラ!のSSでも困ったら私を泣かせばいいのよ」
「大河、落ち着け」
「何よ!どうせ私は『よく泣く生き物』よ。悪かったわね!」
「わーっ!大河!俺が悪かった」
「だって…だって…りゅうじーーーーっ!」
「おう、よしよし。わかったから。わかったから。泣きやめ、な、な」

「それから、あまりにも私の頭が悪すぎるわよね、このスレ」
「続くのかよ」
「酷いのがとんかつネタよ」
「流行ったな。この作者も書いてたぞ」
「殺してやろうかしら」
ごめんなさい
「どれを読んでも、私の頭が悪すぎる設定になってるわよ。なによ『あーん』って。ピーじゃないっての。あれ?」
「どうした?」
「いや、今ピーって言おうとしたら。あれ?」
「たぶん、その言葉つかっちゃまずいと思うぞ。いや、婚約者的にもどうかと思う」
「そ、そう。とにかくとんかつネタは嫌いなの!」
「とんかつは?」
「…好き。でも竜児が作ってくれないと嫌」
「お、おう」



「どうしよう竜児。ほんとうにどうしよう」
「あああ、ネタがねぇ」
「ねぇ、もう無理して埋めなくていいんじゃないかしら」
「俺はいいけど、たぶんギシアンだらけになるぞ。いいのか?」
「う、何て答えればいいの?私は嫌、でも、スレ否定したら私達のSSを書いてくれる人も居なくなるわよね」
「さっきお前、全力で否定してたけどな。まあ、そうだ」
「ううう嫌ぁ!竜児なんとかして!」
「仕方ない、あれを放出するか」
「え?何かあるの?」
「ある。しかし無い」
「どっちよ?」
「プロットだけ考えて、まったく手が付けられなかった話がある。少々反則気味だが、SS作者の苦悶的な話にまとめれば、埋めネタとしては許容範囲だろう」
「ああ、あれ。でもスレ的にはどうかしら。荒れない?」
「『こういうプロットを考えました。誰か書いてください』ってのは駄目だな。重大なマナー違反だ」
「『こういうプロットを考えました。もう駄目です』だったらどうかしら」
「いっしょだろう、しかし、埋め立て中だと許される気がする」
「そうよね。どんな駄文突っ込んでも『埋め立て職人』とか呼んでもぐぐぐ」
「大河、頼むから不用意な発言だけは慎んでくれ」
「不用意って…竜児がそう言うなら、そうするけど」
「よし、じゃぁ投下するか」
「本当にやるの?荒れない?」
「しゃれが通じると信じよう」
「竜児、通じなかったら、私達どうなるのかしら」
「わからねぇ、わからねぇけど。もう、俺たちにはこの選択肢しかねぇ」
「わかった。ねぇ竜児、つかまってていい?」
「おう、しっかりつかまってろよ。じゃ、投下するぞ」

バレンタインデーの夕刻、バイトに泰子が現れなかったら。

顔を真っ赤にして、震えながら竜児に想いを告げる大河。竜児からも好きだったと言われ、驚く大河。
竜児が自分の気持ちの流れを大河に打ち明け、大河も竜児に苦しかった自分の気持ちを打ち明ける。
これから新しい日が来るんだと告げる竜児。泣きながら、もう苦しまなくていいのねと言う大河。震えながら、初めての口づけ…

『という、流れを想像していたんだが、まさかお前達がその頃駆け落ちをしているとは思いもしなかったぞ、
高須。まったく人生というものはどう転ぶかわからないな』


「投下しちまった」
「しちゃったわね。どうなるのかしら」
「わからねぇ。しかし」
「酷いわよね」
「おう。なんかこう、妄想炸裂だな」
「しかもなに、この夢落ちみたいなの」
「北村妄想落ちか。これ書いてる奴、ifは書かないとか言ってたからな」
「何それ、if作者に喧嘩売ってるのかしら」
「書くなって言ってるわけじゃないから勘弁してやれ。それにしても、if書かないからって、これは無いよな」
「無いわよね。これでifじゃないってどんだけ屁理屈こねてるのよって感じ」
「自分でも納得できねぇだろ。先にすすまねぇはずだ」



「竜児大変。ここまで3300文字にしかなってない」
「がーっ!プロット投下した意味がねぇ」
「プロットが薄すぎるのよ。投下するしないの話の方が文字数多いんじゃない?」
「くそ、あんな恥ずかしい思いをしてプロットを投下したのに。なんだったんだ」
「ねぇ、竜児。あれどうかしら」
「あれって何だよ」
「書きかけのSSがあったわよね」
「馬鹿、やめろ、マジでスレが荒れる。作品ってのは、書き終えたか、書き終えるつもりじゃないと投下しちゃいけないんだ」
「でも…書き終えるつもりで書き始めたのよね」
「お、おう」
「起と承の後半は書き終わってるじゃない」
「結は短いから、承の前半と転が問題だな」
「ねぇ、書き終えるの前提で起、だけでも投下したらどうかしら。作者もやる気が出るかも」
「いや、無理じゃねえか」
「でも…あ、ほら、承の出だしも書いてるじゃない。先頭から1万文字ですって!竜児、1万文字よ!」
「20kBか。正直言って喉から手がでるほど欲しい数字だな」
「そうよ、だからさ、コピーしてペーストっていうの?あれを」
「やめろやめろ!あぶねえ。やっぱりSS書きの倫理にもとるぜ」
「ぎしぎしあんあん言わせて喜ばせてるスレだから、そんなに堅く考える必要ないのよ。なにがパンツよ」
「うわーっ!だから不用意な発言するなって」

「ねぇ、竜児、やっぱり投下出来ないかしら」
「だめだ。とても書き終えると思えねえ。あんなものを投下するわけにはいかねぇ」
「書き終えられないかな」
「無理だな。書き始めて5週間経つのに全然筆が進んでない。しかも今週長編を一本書き上げてしまった」
「そうよねぇ。5週間で1万文字しか書けないんじゃ終わってるわよね。ていうか、社会人なのに高校生の恋愛小説のSSをそんなに必死に書いてどうするのかしら」
「言ってやるなよ。てか、これ書いてる奴以外にも泣く奴いるからよせ」

「竜児、投稿できない作品って、どうして筆が止まったのかしら」
「いろいろ問題はあったと思うけど、設定時期が悪かったな」
「いつ?」
「夏の旅行のあと、文化祭の前」
「そんなに悪い時期かしら」
「SSってだけならそれほど悪くないんだけどな、この作者原作改変しないとか言ってるから」
「ああ、if書かない。どんだけ偉そうなのよ、駄文しか書けないくせに」
「志だけ汲んでやれよ」
「ねぇ、竜児。どうしてこの時期だと書きにくいの?」
「ああ、それって俺が説明するのか?前回だと俺がわかって無くてお前が得意になって説明してたぞ」
「あら、いやだ。本当だわ。どうしましょう」
「話題変えよう」
「そうね」

「つーか、もはや『とらドラ!』と関係ないじゃねぇか。あああ、スレが荒れる叩かれる」
「まって竜児…OK。もう大丈夫よ。安心して」
「なにしてたんだ?」
「竜児の台詞に『少々反則気味だが、SS作者の苦悶的な話にまとめれば、埋めネタとしては許容範囲だろう』って付け加えてきたの」
「そうか。もう、メタすら超えて時間もぐちゃぐちゃだけど、いっか」
「そうよ、どうせ埋め立てよ」
「そうだな」



「ねぇ、竜児。新作あるならそれ投下しましょ」
「だめだ」
「どうして?埋め立てに使いたくないから?」
「そうじゃねぇ。推敲が終わってないんだよ」
「推敲って、これ書いている奴なんていくら推敲しても駄文じゃない。とっと投下すればいいのよ」
「言ってやるなよ。なぁ大河、あまりおいしくないカレーだって、一晩寝かせばおいしくなるだろう」
「そうだっけ。おいしいカレーを一晩寝かせるとさらにおいしくなるってのは、わかるけど」
「わからないか?」
「だって竜児のカレー、最初からおいしいじゃない」
「そ、そうか。おう。またカレー作ってやるからな」
「うん!」
「えーと、SSもカレーといっしょだ。書き立てのSSはあちこちギクシャクしているものだが、寝かせて推敲すれば、まろやかになる」
「ふーん。竜児がカレーと同じだって言うなら、そう言うことなんでしょうね」

「お願い、竜児。もうなんでもいいから書いて。埋め立てて、私のために………………竜児ぃぃぃぃぃーーーーーっ!」
「うわ、馬鹿止めろ。それトラウマなんだ。死にたくなる!」
「ばーかーいーぬーがーっ!」
「そっちかよ!仕方ねぇ。これ書いてる奴のSS執筆環境でも書くか」
「もう、SSに関係あるなら何でもいいわ。何使ってるの?Windowsのメモ帳?」
「ワープロもエディタも使ってない。Google Docsだな」
「ぐるぐる犬…竜児のお友達かしら」
「ぐーぐるどっくす!『どっぐ』じゃなくて『どっく』だ」
「あらま、遺憾だわ」
「ブラウザで動くオンラインワープロだ。OSを選ばないし、ネットが使える環境ならどこでも編集できる。昼休みにネタを思いついたらすぐアクセスして書いておける。家に帰ったら自分のPCでアクセスして書き続ければいい」
「何度も言ったけど、いい大人が高校生の恋愛小説のSSにそこまで必死になるってどうなのかしら」
「何度も言ったけど、言ってやるなよ。OSを選ばないってのは、ふだんWindows使っていて、たまにLinuxとかMac使う奴には朗報だな」
「そうね」
「短編ならこれで十分だ、長編の場合文字数が増えると急激にレスポンスが悪くなるから、2万文字くらいで分割した方がいい。ま、長編になるとわかってるなら、文書を起・承・転・結にあらかじめ分けておくと便利だな」
「そうね」
「これ書いてる奴は、Chromeブラウザ使ってる。IEとかFirefoxは遅いから注意が必要だな。ただ、Fireforxは3.5でものすごく改善されてるぞ」
「そうね」
「自分の作品として公開したいときには、そのままGoogle Docs文書として公開できるのもいいところだ。沢山書いてる奴は、サイト立てるのもいいけど、これ使うと面倒がなくていい」
「そうね」
「あと、Google Docsは、ブラウザを閉じなければオフラインでも使える。たとえば飛行機に乗る前に文書を開いて、飛んでいる間中オフラインで編集することも出来る」
「そうね」
「さらにGoogle Gearsをインストールしておくと、ブラウザを閉じてもオフライン中に編集した内容が保存される。再度オンラインになったときには自動的に同期されるぞ。まさに未来の編集環境だ」
「そうね」
「大河、退屈か?」
「寝そう」
「アナグラムかよっ!ほれ、じゃぁ座布団枕にしろ」
「うん」
「ほら、腹冷やすぞ、タオルケットかけてやるからな」
「ありがとう」
「疲れたら昼寝が一番だ。お前が居ないと埋め立て出来ないからギシアンで埋まるけど仕方ねぇ」
「大変!」
「おう、起きたか」



「もう無いの?ネタはないの?」
「逆さに振っても出てこねぇ」
「じゃぁ、アニメでも原作でもいいから何か語ってよ」
「く、作品語りか。スレ違いなんだよな」
「埋め立てだからいいんじゃないかしら。たとえばこんな感じのAAでよく埋めてるわよね。誰もスレチだなんて怒らないじゃない」

                       ,. : '´ ̄:,.弌¨:ゝ、
                     /:/ ̄`Y: : : :Y: : \
                    /:/.: : : : :,': : : : : :' : : : :ヽ、
                     /:/ : : : : : : i: : : : : : i: : : : : :ヽ
                  /:/ : : : :./: :|: :!: : : : |: : !: : : : :', 
                  !:.i: : : :./\: ハ:.!: : :.!ハ:.ハ: : : : :!
                  ,': :!: : : :孑‐ミト-リ : 厶≦z ∨: : :|
                  !: :|: : : :|  ヒ}  |/  ヒリ 〉|: : : ハ    /^}
                 __| : !、: :ト:.ゝ¨¨¨   ,  ¨¨¨厶イ/ リ    / /
         ,. -‐f1¨ ̄ ̄ ∧: | \ハ    ,.----z   /^X_      / /
       /   |.|      ヽ|   \  《   ノ , イ /  欠二.V  {‐、__ 
      /  \ | | \     i      ミ 、_ ,. イ 〈  /  / ーV  ! }-、
    /    / | |   \    |      | ミ==イ  ハ { r‐‐'¨  ヽ/ / ノ }
   /  ,. '   └――ァヘ  |      |   /  / | ト、 ̄¨¨〉--<_∠∠/
 /  /         | : :\ |        /     ∨  ̄,フ
. |  <         /V:_:/ |             i 代.//
/ ぇ }        〈: : : :|   !             |/ {: :/\
ヾミリー'        ∧::/   |       /      |  ∨ヽ: |
            〈: :リ    |      /       |   〉: :/


「そうだな。それにしても、良くできたAAだな。くぎゅの声が聞こえて来るみたいだ。大河、ちょっと言ってみろ」
「『ちょっ、ちょっ、北村君が変な女と!どういう事よ!』こんな感じ?」
「おお、ぴったり。うぉっ!くー、誰が鳩尾までやれって言ったよ。ぐぐぐ」
「あら、痛かった?遺憾だわ」




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