「おい、大河」
 へんじがない ただのしかばねのようだ。
 もとい、卓袱台に突っ伏すように座ったまま携帯ゲームに熱中しているようだ。
「大河ー」
 近づきながら呼んでも反応が無い。
「大河ってばよ」
 肩に手を掛けると
「うひゃあぁぁぁっ!」
 たいがは てっけんを ふるった!
 りゅうじに 50のダメージ!
 りゅうじは ふっとばされた!
「……ってえ……」
「あ、あんたが悪いのよ!急に肩掴んだりするから!」
「だからって恋人をいきなりぶん殴るか普通?」
「だ、だって、びっくりしたんだもの。ゲームの状況とシンクロしてて」
「シンクロって……何のゲームやってるんだ?」
「みのりんお奨めのホラーゲーム」
「……なるほど。そいつは怖かったかもしれんな」


「おーい、大河ー」
 またもや返事が無い。
 さて、どうしたものか。
 この間のようにぶっとばされては堪らないが……
 と、不意に悪戯心が湧いた。
(どうせ驚かれるなら……)
 大河の背中にそろそろと近づき……
 がばっと抱きしめると同時に無防備な首筋めがけてキス。 
「っひいぃぃっ!」
「ふぁいふぁー」
「ちょ、ちょっと何考えてるのよ竜児!」
「ふぁっへ、ひょんふぇも、ふぇんひひへえんはもも」
「キスしたまま喋るな!舐めるなーっ!」
「むー」
「吸うなこのエロ犬ーっ!」

 この後、先日以上にボコボコにされたとか。





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