R.1

「竜児」
「なんだ?」
「これはいったいどういうことかしら」
「って、おい!勝手にその箱開けるな!」
「黙れ。あんたのプライバシーなんか知ったこっちゃないのよ。あんたの物は私の物。私の物は私の物。で、このキモイ箱は何かしら」
「いや、その、あの…」
「いいのよ、別に言わなくても。痛い目に遭うだけなんだから。どんな風にってのは、あえて言わないけどね」
「あーっ!畜生。わかったよ。わかった。言うよ。その、お前って結構ツラがいいからさ…なんていうか…フランス人形的っていうか…そんなこと考えてるうちに、集まっちまったんだよ。フランス人形。箱一杯に」
「…」
「どうした?うつむいて」
「ちょちょちょ、タンマ。今、ニヤケ顔直すから」




R.2

「竜児」
「なんだ?」
「これはいったいどういうことかしら」
「って、おい!勝手にその箱開けるな!」
「黙れ。あんたのプライバシーなんか知ったこっちゃないのよ。あんたの物は私の物。私の物は体以外私の物。で、このキモイ箱は何かしら」
「お前めちゃめちゃ顔怖いぞ。てか、今さらっと何か言わなかったか」
「うるさい!だから、このキモオタ臭がぷんぷんする箱は何かって聞いてるのよ」
「あーっ!畜生。わかったよ。わかった。言うよ。その、お前って意外って言っちゃ悪いけどスタイルがいいからさ…なんていうか…フィギュアっぽいっていうか…そんなこと考えてるうちに、集まっちまったんだよ。美少女フィギュア。箱一杯に」
「…」
「どうした?うつむいて。震えてるのか?」
「…………全部スクール水着なのはどういう事かしら…」




R.3

「竜児」
「なんだ?」
「これはいったいどういうことかしら」
「って、おい!勝手にその箱開けるな!」
「黙れ。あんたのプライバシーなんか知ったこっちゃないのよ。私の物は私の物。あんたは一生私の物。で、このキモイ箱は何かしら」
「いつの間に終身奴隷にしてんだよ!」
「黙れ犬っころ。この盗品臭さ炸裂の箱は何だって聞いてるのよ。あんたとうとう人の物まで…」
「あーっ!畜生。わかったよ。わかった。言うよ。その、お前って顎のラインがきれいでさ…なんていうか…精緻なガラス細工っていうか…そんなこと考えてるうちに、集まっちまったんだよ。イタリア製のガラス器具。箱一杯に。
おかげでお小遣いすっからかんだぜってわーーーーーーっ!!!!止めろ!割るな!何て事してくれるんだ!MOTTAINAI!てか何故お前が泣く!?」
「うるさい!こんな物買う金があったらもっと高い肉食べさせなさいよ!」







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