「おう、どした大河。なんでそんな、どん暗い顔してファッション誌見てんだ」
「なんだ駄犬か。はぁ……やっぱ私、もうちょっと背、欲しかったな……」
「最短罵倒来たな……おう、そうか。お、俺はおまえの背、伸びたら嫌だけどな」
「え、なに……はあ!? あ、あんたの好みなんか、かっ、関係ないっての!」
「おう……まあ、そう。そう、だわな……」
「そうよ、ったく……はぁ……せめてもうちょっと胸、あったらな……」
「……俺、おまえの、むっ、胸、それよかデカくなったら嫌だけどな」
「っだからあんたの好みなんか聞いてない! てかひとの呟きまで聞いてんじゃないっ!」
「おう、そうか……すまん」
「すまん、じゃないわよ。なによ、ぼーっとして……ん? んん? ねぇ、竜児」
「な、なんだ? 大河」
「あんた、私の背、伸びたら嫌なの?」
「おう」
「……んで、えと……私の、む、胸、このまんまがいいの……?」
「お、おう」
「そ、そう……なら、しっ、仕方ないわね……が、我慢してやっても、いい……」
「……あー、その。な、なにがだ?」
「っ!? な、なにがだじゃないこの……っひ、秘密だボケぇっ!!」
「わあおまえ、雑誌投げんな!? 殴るな蹴るな!? な、なんなんだ、なんなんだ!?
 おまえ、満面の笑みで怒るってなんの芸だ!?」


***おしまい***




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