「竜児、大変よ。もう埋めネタがない。あと20KBもあるのに、これじゃギシアンだらけになっちゃう。ごめん、私もう駄目だ」
「まぁ、すべてのスレを俺たちのネタで埋めるってのは無理だろうからな。けど、大河、あきらめるな。ネタを用意したぞ」
「だって、あんた、いつももうないって」
「考えたんだよ!お前が一所懸命考えた原作解説をやめさせたんだ。おれがここで奮起しないでどうするんだよ」
「ほんと?竜児?私のために?」
「あたりまえだ、言ったろう。虎と竜は並び立つんだ」
「……うれしい……」
「あほか、スレの埋め立てで泣くな。じゃ、ネタ行くぞ。題して『三白眼をさがせ!』」
「…………ぇ?」
「原作では俺の三白眼って、結構きつい書き方されているだろう。だけどさ、アニメは割と普通だよな。まぁ、全編ギャグにするわけにいかないから仕方ないんだけど、ところどころ、目つきのきつい所はあるんだ」
「そ、そう」
「きついって言っても、ギャグっぽい顔じゃないぜ。結構かっこいいんだ。それをみんなで探す企画だ。探すのはみんなだから俺たちが全部埋め立てる必要はない。どうだ、すごいだろう」
「う、うん」
「じゃ、行くぞ『第1話、隣のマンションのせいでカビだらけと泰子に話すシーン』。これは第一回だから登場人物説明の意味もあるんだけどさ、最初の独白から始まって、おれが泰子と二人暮らしであること、家事をおれがやっていること、
優しい性格であることが短い時間で説明されている。で、その締めが、カビだらけだと半切れするシーンだ。結構凶悪だが目がかっこいい」
「そう…ね」
「次、『第13話、福男レースのスタートシーン』。これは実は重要なシーンだぞ。これまでお前のために一肌脱ぐときには、仕方ないとか、周りに目に物見せてやるって言ってたのが、はっきりと自分自身を燃え上がらせてお前のところにたどり着こうとしている。
お前、5巻から恋愛小説って言ってたよな。それを象徴するようなシーンだ。茜色の空を背景にギラリと光る、三白眼。燃えるぜ」
「…そ、そうね。燃えるね」
「三つ目、『第16話、狩野すみれを追うシーン』。これは文武両道のスーパーガール、狩野すみれに、なぜ北村にはっきり答えてやらないと、食い下がるシーンだ。前半頼りなかった俺も、物語の中盤では熱い男になっていくんだよ。その熱さが三白眼からほとばしっているぜ」
「……うん、ほとばしってるね」
「最後が、『第25話、櫛枝に平手打ちを食らったシーン』。お前が黙って居なくなって、おれは胸が張り裂けるほどつらい。だけどその気持ちを押し殺している。それが平手打ちを食らった一瞬、にじみでてるんだよ。苦渋の表情が。アニメスタッフ、やるよなぁ」
「………やるよね」
「俺が見つけたのはこの4つだ。さぁ、みんなも俺のかっこいい三白眼をさがそうぜ!…………………大河、どうした?…泣いてるのか」
「…………竜児…竜児…あのね…」
「どうした、大河。何があった。言ってみろ」
「……あのね……あのね……ちゃんと聞いて。世界中のみんなが、あんたのことをね、キモイとか、ナルシス犬とか言ってもね、私だけは…私だけはあんたの味方だから…だから…だから…安心して」
「あ、なんだよナルシス犬って!お前慰めてるのか罵倒しているのかどっちかにしろよ!てか泣くな!ちくしょう、あーっもうしらね!埋めネタなんてもうやらねぇっ!」





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