「オシャレ?」

「そうよ、高須君の気を引きたかったらアンタの違った一面を見せればいいのよ。どうせ高須家に行く時は適当な普段着で行ってるんでしょ?」
「そうか……いつもの私とは違った一面ね」

「アンタの家は金持ちだから無駄に高い服とか一杯あるでしょ?」
「無駄とは何よ!!」

「悪かったわよ、でも私はアンタが相談に乗ってくれって言うから答えてんのよ、自分の立場が分かってんの?」
「……分かった、やってみる」


「ただいま〜」

「オゥ、飯できてるぞって……今からドコか出掛けるのか?」

「えっ?ご飯を食べに来たんだけど」
「そんなピラピラした高そうな服でか?」
「……ヘンかな?」

「ダメだ、ダメだ。オマエはこぼしたりひっくり返したりするんだから駄目だ。着替えて来い」
「でも!」

「ダメと言ったらダメだ、その服じゃ飯は喰わせねぇ」
「…わかった、着替えてくる」

その日、私は乙女心を理解しない竜児へ抗議の為に雨ガッパで夕食の席に着いた


「グヮァァ〜!!!バカチー!」
「……ナニよ朝っぱらから」
「アンタの言った通りにやったけど全然ダメだったわよ!」

「そっか……やっぱり見た目くらいじゃアノ朴念仁には効果ナシか」
「どうしてくれんのよ、バカチー!」

「アンタね、立場が分かってんの?アンタは相談してる側、私はされてる側」

「…スミマセン、川嶋さん」
「分かればいいのよ、まだ次の作戦があるから」

「本当ですか!川嶋さん」
「外見でダメなら次は内面で勝負よ!アンタは日頃高須君にバカだの犬だの悪態を吐いて喰ってばかりだから今回は逆に優しくお手伝いなんかするのよ」

「なるほど……ガンバリます!」

その時、私はこれが成功すれば私の叶うはずのない恋心に諦めらがつくとチビとらの背中を見送った



「ご馳走様でした、さて片づけるか」
「あっ!今日は私が片付けるから竜児はゆっくりと休んでて」

「どうしたんだよ急に」
「だって、いつも竜児は美味しいご飯を作ってくれるから片付けくらいしようかなぁと思って」

「別に気にしなくて良いぞ、好きでやってんだから」
「いいから竜児は休んでて」

「そっか、じゃあ大河に任せるな」
「あと何かすることが有ったら言ってね」
「あぁ、ありがとな」


「お疲れ、お茶入れたぞ」
「ありがとう」

「でも洗濯からアイロン掛けまでしてくれるとはな、おかげでゆっくり出来たよ」

「本当に!良かった〜、やったかいが有ったよ。そうだ!耳掻きしてあげようか?」
「マジでか?!」
「良いよ、ハイ膝に頭を乗せて」

「どう?痛くない?」
「気持ち良いぞ〜」
「ヤッター!じゃあイッパイ取るからね」
「オゥ、頼む。これが終わったらさ」
「終わったら?」

「帰れよ、もう遅いから」
「…えっ?」
「オレ風呂入って早く寝たいからさ、帰れよ」

「……うん」

その夜、私は高須家から持ち帰ったトマトに『タカスリュウジ』と書いて名前の数だけコンパスで突いた



「川嶋さん……」
「どうしたの!そんなに落ち込んで」
「……またダメだった」

「大丈夫!!大丈夫よ、大河……大河はやればできる子なんだから自信を持ちなさい、大丈夫だから」
「亜美……ありがとう」

「次の作戦はズバリ!お色気で直接アタックよ!!」
「ミニとか履いて行けってこと?」

「ミニねぇ……ローライズのデニム持ってる?」
「持ってるけど?」

「だったらそのパンツの裾を股下に沿って切りなさい」
「それを履くの?でも座ったりしたら下着見えちゃうよ」

「それがイィ!何か高須君ってフェチぽいから直接下着が見えるよ隙間から見えるコッチの方が興味を示すはずよ。あと上はノースリーブの胸元緩めのが良いわ」

「……ブラは?」
「それは……大河のガッツ次第ね」
「わかった、やってみる」


その時、私はこんなに一生懸命な大河を可愛く想った。これで2人が恋人と成ったら私は素直に祝福できるだろう、そして私の恋心にもピリオドが打てるはず


「何やってんだ?」

「ストレッチ!最近なんだか体が硬くなった気がするから」
「へぇ〜、頑張れよ」

「うーん!うーん!竜児ちょっと背中を押して」
「アイヨ、これくらいか?」

「……ドコ見てんのよ」
「ハァ?何も見てないぞ」
「ウソだ、私のブラとかパンツ見てたくせに」
「見てねぇよ」

「もう素直じゃないなぁ、恥ずかしいの?竜児にはちょっとこの服は刺激が強すぎたかな〜」

「……あのな、こんだけ一緒に過ごしてるんだ、大河の下着になんて見慣れてんだよ」
「えっ?」

「それにオレは大河のナマ乳揉んだことあるんだぞ、下着くらいじゃチンピクもしねぇよ」

「……そうだったね、あの時プールで冷えて硬くなった私の乳首コリッ!てしたもんね」
「あぁ、確かにあのチクコリはびっくりしたな」

「ハハハ、ワタシカエルネ」
「オォ、気をつけてな」

その帰り道、私は腕に止まって血を吸う蚊に『リュウジ』と名付けて叩き潰した


「わぁぁ〜ん!!!亜美っち〜!」
「どうしたの大河!?」

「竜児がね、私なんかじゃちんちんピクリともしないってぇ〜!!」
「なんですって!!!」

「グスン……やっぱり私って魅力ないのかな?」
「そんなことない!!大河は可愛くて魅力的な女の子よ!……もう忘れなさい男なんて」
「できるかな?忘れること」

「これからは私が一緒に居るから、ねっ?」
「ありがとう……亜美っち」

「今晩1人で大丈夫?何なら私が一晩中一緒に居るけど?」
「……お願いしようかな」

「ウォォッケイ!!!」

その晩、私は愛しの大河をモノにした




「本気で言ってるのか?」
「そうよ、竜児が私にかまってくれなかったり浮気したら今の話みたいになるんだから私のこと大切にしてね」

「…分かった、肝に銘じておく。でも何で相手は男じゃなくて女なんだ?」
「えぇ〜だって竜児以外の男と一緒なんてやだもん」
「…とりあえず今は素直に感謝しとくよ、ありがとう。あと何故に川嶋?」

「何となくばかちぃがイメージし易すかったから、だって男を見下してて尚且つエロいじゃん」
「確かにな、でも俺は香椎なんてイメージにぴったりだと思うけどな」

「そうね言われてみればアノの女のほうが見た目エロいわね」

「だろう!!あのアンニュイな雰囲気に時折見せる悦の入った表情や仕草、禁断の花園的イメージにぴったりだろ!!
それで大河が香椎のこと『お姉様』とか呼んでさ、香椎は『大河ちゃん』って呼ぶんだ。
そして大河は『奈々子姉様と一緒に寝たい』って枕を抱き締めて言うだよ
それで香椎は『あらあら大河ちゃんはいつまで甘えん坊さんね』ってベットの中に大河を招き入れるんだ、スゲー!!!!
なぁ大河〜明日学校で香椎を『お姉様』って呼んでくれよーなあ頼むからさー」

「……妄想垂れ流しね、ウザっ。ハイ、Tシャツ脱いで」
「…オォ」
「次は仰向けに寝転がっる」
「こんな感じか?オゥ!!!イタッ!痛い!!」

その日、私は罰として竜児の黒い乳首が真っ赤になるまで爪楊枝で突っつきました。
竜児は体をクネらせ笑顔で嬉しそうに痛いと言っていました。
乳首って奥深いなーと思いました。
出席番号1番 逢坂大河



「香椎のことお姉様って呼んでくれよー」
「ヤダ、昨日あんなに痛い目に合わせたのにまだ言うか!」

「あれはヨカッタぞ!」
「……バカ照れるじゃない」
「だからさ頼むから」
「イ・ヤ・ダ」
「一回でいいからさ」

「じゃあお手本見せてよ、竜児が誰かに『お兄様』って言われるの見せて」
「う〜ん……誰にしようか?」

「そうね…北村君だとシャレにならないかもしれないし、アホロン毛かバカ眼鏡のどっちかじゃない?」
「春田か能登……ヨシ、春田!キミに決めた!」


「どうしたの?珍しいじゃん高須がタイガーと一緒に弁当喰わないなんて」
「偶には能登や春田と話しながら飯喰おうと思ってな」

「春田オマエ一人っ子だろ、兄貴とか欲しいと思っりしないのか?」
「兄ちゃんか……そだね遊び相手に男の兄弟は欲しかったな〜」

「だよな!俺も一人っ子だから春田みたい弟が欲しかったな〜」

「高っちゃんが兄貴か……それイイんじゃね?高っちゃん色々やってくれそうだし」
「そうだろ!!だからさ……俺のこと『お兄様』と呼んでくれないか?」

「イイよ〜おにい『らめぇーー!!!!』

「竜児のことお兄ちゃまって呼んで良いのはボクだけなんだから!!!」

「………能登っち…ゴメン」

その夜、私は竜児の乳首チュウチュウ吸って「甘〜い」とニヤリ笑い真っ赤になった歯を見せる能登君の夢を見た



「ウォォ!!!!ダメよ竜児!それ以上は…………夢?良かった〜竜児があんな話するから変な夢見ちゃった
もう竜児が馬鹿なこと言わないないようにもっと私の気持ち伝えよ、竜児のこと大好きだよって……乳首大丈夫かな?」


「おはよう」
「大河…昨日は変なこと言って悪かったスマン」

「私の方こそゴメンナサイ怒りに任せてあんなことして……乳首大丈夫?」
「いやアレはアレで良かったから……もう血も止まって絆創膏貼ったし大丈夫だ」

「よかった、コレ昨日のお詫びと竜児に対する私の気持ちだから」

「オマエ……こんな大切な物を貰っていいのか?それも2本も!!!」
「受け取って!これくらい竜児のこと好き!ってことだから」

「ありがとう、そんなに俺のこと想ってくれてたんだな……確かに受け取ったぞキットカット2本分の愛」

それから2週間後、俺はユリちゃん先生に「みんなには内緒よ」と言ってロッテクランキーチョコを丸ごと一枚貰って禁断の愛を妄想したのは内緒の話だ

−バ・カ−


これを最後まで読んだ人には血が出るまで大河に乳首をつつかれる呪いをかけました。
呪いを解きたかったら『GJ 泣ける話だった』と書き込んで下さい



来ても良いと思った人は病気です、今すぐ枕元に爪楊枝を置いて安静にして下さい。




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