「……後ろで何してるの?」
「ニオイ嗅いでる」
「何で?」
「大河の髪はイイニオイがするから」

「あの……普通こんなのは恋人とかにするんじゃない?」
「だってオレ彼女いねぇもん」

「そうだけど、竜児はみのりんが好きなんでしょ?」
「あぁ」
「だったらみのりんにすれば良いじゃない」

「でもココに櫛枝いねぇし」
「だからって私をみのりんの代わりにしないでよ!」
「違う!!それは違うぞ大河!」
「何が違うのよ」

「俺たち思春期の男女が2人きりで毎晩一緒に居るんだぞ、普通だったら間違いが起こって当たり前のシチュエーションだろ?」
「まぁそうだけど……でも今まで竜児は何もしなかったじゃない」

「そう何もしなかった、そしてコレはこれからも大河にイタズラしない為の予防線なんだ」
「予防線?」
「オレの欲望を満たすことで大河に対してこれ以上は手を出さない為にやってる」

「そっか……被害を最小限で食い止めてるんだ」
「その通り、大河は賢いな〜」
「エヘッ、そうかなぁ〜」

「だからニオイ嗅いで良いよな?」


「……手は出さないんじゃなかったの?」
「あぁ、そんな間違いは起こさない」

「じゃあ私はなぜ後ろから抱きしめられてるの?」
「俺の本能がそうしろって言ってるからだ」
「約束が違う!手は出さないって言ったじゃない!」

「オマエな……手を出さないはエッチなことしないって意味で本当に手を使わないって意味じゃないんだぞ」
「なるほど、そうゆう意味か……」

「エッチなのは困るだろ?」
「……困る」
「だったら良いな?」
「分かった、竜児の好きにして」

「すうぅぅ〜ハァ大河はイイニオイだなぁ」


「今日は肩を出した服か、これならイッパイ大河のニオイを嗅げるな」

「……顔、近くない?」「そうか?気のせいじゃないか?」
「いや、あの……今日は何で膝に乗せられてるの私?それになんで横向き?」

「それは大河のニオイをたくさん嗅げるようにだけど?」
「当然のように言われても困るんだけど…」
「困る?……もしかして嫌なのか?」

「……うん」
「なんだ嫌だったのか、早く言ってくれよ」

「だって竜児がどんどん大胆になるから」
「いや〜ニオイを嗅いでたらつい大河に近づきたくなってな、悪かった無理強いしたみたいで」

「……一つだけ確認させて」
「何だ?」

「私とみのりん、どっちが好き?」
「どっちが?……う〜ん」
「じゃあね、どっちのニオイを嗅ぎたい?」
「大河」

「……じゃあどっちが好き?」
「う〜ん…」

「じゃあ一緒に居たいのは!!!!」
「大河」
「……………」
「どうした?」

「……私に好きって言ったら何しても良いよ」
「好き」
「そうじゃなくて!!……ちゃんと言って」

「スゥキ?」
「好きの言い方じゃなくて、もっと言い方があるでしょ!」

「オレタイガスキ?」
「何でさっきから疑問系なのよ!それにちゃんと感情を込めて言いなさい、もう何もさせないわよ!」
「オリャ大河さ好きさぁぁ」

「何でナマってんのよ!やり直し!!」


「へぇ〜逢坂先輩も苦労されたんですね〜」

「まったくよ!あの犬の躾には苦労させらたわ、私のこと彼女って理解させるのに一年もかかったんだから」
「ハハハ……本当に犬の躾ですね」
「まぁ今は私のおかげでだいぶ人間らしくなったんたけどね〜」

「誰が人間らしくなったって?」
「うわぁ!!!高須先輩!」

「大河、お前は後輩集めて何の話をしてるんだ?」
「さぁね、何の話かしら?」
「聞こえてんだよ!あれだけデケェ声で話してたら、ちょっと来い!!」
「ちょっと!そんなに引っ張らないで、謝るから」

「……行っちゃった、なんか嵐のような2人だったね」
「だね……でも私ね本当のこと知ってんだ」
「ナニ!本当ことって何があったのよ?」

「本当はね、先輩たち付き合うの親に反対されて駆け落ちしたんだって」
「ウソー!!本当に?」
「それも授業中に逃げ出したんだぞ」

「スゴッ!!そんなことがあったんだ」
「まだこの話は続きがある」
「ナニ?ナニ?」

「高須先輩は2日で戻って来たけど逢坂先輩は2ヶ月くらい戻って来なかった」
「何で?」
「駆け落ちして年頃の男女がすることっていったら決まってんじゃん」

「もしかして妊娠!」
「らしいよ」
「じゃあ先輩は休んでる間に……中絶したの?」

「違う……」
「じゃあどうしたの?」

「逢坂先輩はたった2ヶ月で産んだらしいよ!!!!」
「ウソー!!」
「それも6匹!!!」

「………匹って何?それに2ヶ月で子供は産めないよ、ねえその話し誰から聞いたの?春田」

「兄ちゃん」




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