「ねえ、大河。一つ質問していい?」
「なに、みのりん?」
「ええと…あのね…大河と高須君はどうやって知り合ったのかな〜って思って」
「だ、だから、それは家が近くだから…」
「いや、そうじゃなくて、もっと具体的に」
「いや…あの…その…、りゅ、竜児がね、わ、私の大事な物を間違えて持って帰っちゃったの。
 だから私がその夜に竜児の家に行ってね、そこで木刀で暴れてお腹すいたからチャーハンを食べさせてもらったの」
「…いや、全然分からないんだけど…」
「と、とにかく!あんまり大したことじゃないの!」
「要するに、チャーハン食べさせてもらったと?」
「そ、そう! あいつね、チャーハンとか味噌汁とか、ホント料理がうまいんだよ!」
「へえ、意外だな…」
「そうでしょ!プククッ、あの顔で料理うまいなんてオカシイよね」
「別に顔は関係ないと思うけど…」
「しかもね、あいつ、掃除洗濯おまけに裁縫まで完ぺきにこなすの!ホント、犬のくせに生意気よね!
 この前私の服が破けちゃってね、そしたら、あいつ、自分専用の裁縫道具取り出してきて、
 それで縫い直してくれたんだよ! ホント、あいつ、女に生まれればよかったのにねえ」
「…」
「しかもね、あいつと一緒にいると『野菜もちゃんと食べろ』とか『服はちゃんとたため』とか
 ホンットにうるさいの!まるで母親みたいなの!あいつのお母さん、やっちゃんって名前なんだけど
 もうどっちが子供か分かんないくらいなんだよ。それからね…」
「ねえ、大河…」
「ん?何?」
「いや…何でそんなに嬉しそうなのかなあ、って思って…」
「へ?」


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