「被告人逢坂大河は、麻薬である高須竜児のマフラーを使用。常習性が認められるので、高須家出入り禁止3日を求刑します」
検察側にはばかちー。弁護側にはみのりん。そして裁判長は北村君で、裁判員には2-Cの面々。
「裁判長!被告人は寒がりであり、マフラーの使用は当然です!高須竜児の物だったのは偶然であり、情状酌量の余地があります!激辛カレー1週間の刑が妥当です!」
身を乗り出して訴えるみのりんと、涼しげな顔でそれを眺めるばかちー。その中間の椅子に座る私。北村君はいつものように半裸だった。
「異議あり!被告人は何度も高須竜児のマフラーを使用していますし、一番濃度の高い脱ぎたてを好んでいます。更正も期待できません」
ばかちーの言葉に反論出来ないみのりん。あぁ……出入り禁止3日か。そんなに長い時間会えないなんて耐えられないよ……。寂しくて辛くて怖いよ竜児……。


「……いが……たが……大河!!」
「ふぇっ……?」
気が付くと同時、目の前に竜児のヤンキー面があった。
「……ゆめ?」
ぐしぐしと目をこすって意識を徐々に覚醒させる。……夢だったんだ。
「大丈夫か?すっげーうなされてたぞ」
心配そうに見詰める三白眼。
「な……なんでもない……」
こんな極悪面を見て落ち着いていく自分もどうかと思うが、嫌悪感は一切ない。
「なんでもねー奴は、寝ながら涙なんか流さねーよ」
「うぐ……」
もっとも過ぎて声も出ない。
「今度怖い夢をみたときは、俺を呼べ。竜虎は並び立つものだから、夢の中でも助けに行けるはずだ」
極悪面のくせにこんな事を言うのだ。
「ばかみたい」
口ではそう言いつつも、惚れ直したのは内緒。隠さなくてもこの鈍感犬には絶対わからないだろうけど。




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