「うっ、うっ…」
「ちょっと竜児、こそこそ何見て……、うぇっ、これ、もしかして「君に届け」?。なに涙ぐんでんのよ!」
「たっ、大河!。待て!。これには深い事情が…」
「このエロ犬!。よもやアンタが二次元ヲタだとは思いもよらなかったわ。貞子ね?。貞子に萌えてるんでしょ?」
「違う!。誤解だ!。俺はアニヲタなんかじゃねぇ!」
「じゃあ何だってんのよ」
「俺はなぁ、この子の境遇が他人事のようには思えなくて…。人から見た目で判断されて、損をして…。あんなにいい子なのに…。おうっ、何すんだよ!」
「これって浮気よね?。浮気。万死に値するわよね?そんなに貞子で萌えたいんなら、イッペン死んでみる?」
「こっ、声が能登麻美子になってんですけど…。おわっ、ウワワあ゛ー」



  「はっ、ここはどこだ?。なんか、風景がすごくアニメっぽいんだけど…。あれぇ、どうしたんだ?。俺の顔。すごくサワヤカなんですけど…」
  「風早おはよー」
  「はい?」
  「遅刻すんぞ。早くしろ、風早。じゃな」
  「おっ、俺、風早なの?。ここはもしや二次元ワールド?。」
  「シクシク」
  「くっ、草むらの中で泣いてるやつがいる…。こっ、これは風早が貞子を慰める場面なのか?。なんか俺、ドキドキしてきたぞ」
  「シクシク」
  「くっ、黒沼がんばれ!(イツチヤツタ)」
  「……!?」
  「なっ、慰めてやろうか?」
  「…イイヒト…」
  「手ぇ握ってやろうか?(ワクワク)」
  「かっ、風早君はイイヒトだー」
  「うへっ…あれ?、こここいつは貞子じゃねぇー」
  「おいっ、おまえっ!。三橋に何しやがんだ!」
  「はい?」
  「違うよ、阿部君っ!。風早君はイイヒトだ!」
  「待て!。誤解だ!。出るアニメ間違えたぁ」
  「俺の…俺の三橋にイチャイチャしやがって…。ゆるさんっ、くらえっ、ケツバット!」
  「うぎぁー」


「はっ、夢か?。うつつか?。くそっ、ケツが痛い」
「あらあら。死んだ犬の死体が転がってると思ったら…」
「てめー、大河。俺に何しやがった?」
「……アララギ君じゃない」
「はい?(ガクガクブルブル)」

(エンドレス?)






「ちょっと竜児、さっきの話、元ネタ解説しないとサッパリわかんないじぁない」
「正直スマンカツタ。とらドラネタ以外の話をするのは気がひけるが、説明しよう!」
「はい、スルースルー」
「まず最初の『君に届け』なんだが、これは別冊マーガレットに掲載中の漫画です」
「アニメも日テレで放映中ね。火曜の深夜1時になると、アンタいつもコソコソコソコソ…このゴキブリ!」
「(スルースルー)、一言で言うと、王道の恋愛ストリーだな」
「女の友情物でもあるのだよ、高須ボーイ」
「くっ、櫛枝!、藪から棒に!」
「アタシも貞子の健気な姿見てると、ツイ高須君を思い出しちゃって」
「同士よ!」
「料理万能、家事万能で、凄いイイ子なんだけど、見た目が根暗で、」
「リングの貞子なんだよなぁ」
「アンタはバイオの犬でしょ、フン」
「うっせーなぁ」
「で、その女版竜児の貞子が、北村君のように完全無欠席キャラの風早君に、ジミーにあこがれるのね」
「なんか凄くキモチワリイんだけど、その説明」
「そしてその、高須ガールとイケメン北村ボーイの恋路を邪魔するのが…」
「アンタにクリソツの性悪娘なんだよね、チビトラ」
「なんだバカチー、うっさいわね」
「容貌が『フランス人形』みたいってとこは、そうかもねぇ…。でもあの性格は、大河じゃなくてあーみんかも」
「ちょっと、あたしのどこが胡桃沢ウメなのよ!。みのりちゃん!」
「まあ変な名前てとこは大河ににてるかもな、ハハハ」
「このバカ犬、覚えときなさいよ、その戯れ言」
「はははは、なんか険悪な感じになってきたのでここらで終わりにしまショ」




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