「竜児!北村君が私にマフラーくれるって!」
「良かったじゃねぇか。普通はお前がプレゼントする方だと思うけど」
「う、うるさい!」
「北村のことだから、結構上等なもん寄越しそうだなー。汚すなよ大河」
「ああああ当たり前じゃない!」

翌日

「おはよう逢坂!約束通り持って来たぞ!」
「あ……ありがと……ききき北村君」
「おう、北村。なんか異様に大荷物じゃねぇか?」
「おー、高須。やはりそう見えるか?一応カモフラージュはしてきたつもりなんだがな。逢坂ちょっと待ってくれ。今出すからな」
「う、うん」

「どうだ逢坂!ヨシムラのショート管だ!少し前まではP管もあったんだが、兄貴が付けてしまったから今はこれだけなんだ」
「マフラーってそっちかよ……」
「わ、わーい……」
「おう、無理すんな大河。北村に期待したのが間違いだったんだ」
「……竜児、あんたも期待してたわよね?」
「うっ」

「おー!大先生、それ!ヨシムラじゃーん!俺にも頂戴よ〜」
「春田、お前も単車やるのか!」
「モチのローン!それが男の道っしょ〜!」
「お、春田!丁度良い!大河、それあげちゃえよ」
「そ、そうね。アホロン毛にってのがアレだけど、仕方ないわね」
「マジかよタイガー!超ラッキー!センキュー!」
「有り難く受け取るが良い!」
「へへぇ〜神様仏様タイガー様〜」
「なんだこの光景は……」
放課後

「竜児、マフラー!」
「おぅ!?わかったから引っ張るな!」
「……ん〜……やっぱコレよね」
「なぁ大河、今度お前用にマフラー編んでやるよ」
「いい。そんなに使わないし」
「毎日俺から奪ってるじゃねぇか」
「このマフラーが一番あったかいのよ!」
「じゃあ俺用に編むか……」
「だ、だめ!それじゃ竜児の……」
「俺の……なんだって?」
「う、あ、む、な、何でもない!」




作品一覧ページに戻る   TOPにもどる

inserted by FC2 system