『おめでタイガー』

「まったく、どいつもこいつも……」
「おう大河、どうした?」
「年賀状!pixivとか見てみなさいよ、来年が寅年で人の渾名が『手乗りタイガー』だからって何枚も何枚も……!」
「まあいいじゃねえか、それだけ支持されてるってことなんだから」
「支持っていうより安直なだけじゃない。自分がネタのくっだらない駄洒落を連発されて、恥ずかしいったらありゃしないわ」
「……まあ実害があるわけじゃないし、気にするなって」
「……りゅ〜う〜じ〜?」
「お、おう?」
「今、妙な間があったわよねえ……まさか、あんたまで私の年賀状を……?」
「い、いや、俺のは別に寅年だからとかじゃねえぞ。単に俺の婚約者を紹介します的な……」
「余計恥ずかしいんじゃボケぇぇぇっっっ!」





2年+2日後の元旦。とある神社にて…

「みのりん、あけおめ! 久しぶりだね。今年もよろしく!」
「ようよう、大河、あけましておめでとうございますです… ハッ、あわわわ」
「何だよ、櫛枝、人の顔見るなり、泡食って」
「いやー、新年早々、年賀状で強烈な打撃を喰らってさぁ」
「それと俺の顔と何の関係があるんだよ」
「ま、高須君も2年前の寅年でやったからね。おあいこだね」
「寅年? 年賀状… おい、大河、吹けない口笛吹いてんじゃねぇよ… あ、待て、こら、逃げんな…」
「あーあ、亜美ちゃん、なんか悪い初夢見そう…」
「川嶋まで! おい、大河、どんな写真使ったんだよっ…」




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