「ん……もう少し……」
「……こうか?」
「うん……そこ……」
「よし」
「つっ!?」
「おうっ!?わりぃ、ちょっと強いか?」
「ううん。竜児の人差し指、すごく……いい」
「……ったく、確かにこの部分は硬てぇけどよ……こんな使い方、普通はしねえだろ?」
「具合がいいんだからいいの、細かい事気にしてんじゃないわよ」
「グリグリした方がいいのか?」
「……うん。もっと……して……」
「おう」
「あ……ああぁ、いい……すごくいいよ、竜児」
「痛く……ねえか?」
「ちょっと痛い……けど……気持ちいい」
「おおう……大河のここ、すっげえコリコリしてんぞ?」
「……そんなに?」
「おう、こりゃしっかりほぐしておかねえとな」
「何よ……嬉しそうな声出してんじゃないわよ、この犬……んっ……」
「だっておまえ、痛いだろ、これじゃ?」
「そうだけど……あ、もうちょっと上で……お願い」
「こうか?」
「ああっ!そこ……そこそこ!」
「……どうだ?じんわり効いてくるだろ?」
「うん。来る来る……はぁ……すっごい……」
「そうかそうか、そう言ってくれるとこっちも嬉しいぞ」
「ったく、こんな事でしか私を喜ばせてくれないなんて、駄犬にも程があるわね……」
「……おまえは一言多いんだよ」


「何なの……あれ?」
「お……俺だめだ、鼻血出そう」
「くうーっ!熱いね熱いねぇ!」
「はっはっは。いつも通りの仲睦まじい二人じゃないか。別段俺は驚かんぞ?」


「ほら、左手も休ませてんじゃないわよ。しっかり揉んでよ」
「はいはい……まったく……」
「そう……そこそこ!あー気持ちいい!ちゃんと私好みの強さを調節出来るようになってきたじゃない」
「そりゃ毎日させられてるからな」
「ふふん。毎日ご奉仕出来て嬉しいって言いなさいよ」
「……だいたい、大河が肩凝るわけねえのに……胸もねえし……」
「竜児?」
「いっ、いやいや!何でもないぞ、何でもない!」
「聞こえた」
「おうっ!?何だこの黒いオーラは……」
「復唱すると、『余分な脂肪が一切付いてないから肩こりなんて無縁ですよね、大河さん』だぁ!?」
「いやいやいやいや、言ってない言ってない!」
「しっかり聞こえたって言ってんでしょー!?」
「う……やばっ!」
「あっ!?まてこら竜児ーーーっ!」




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