「竜児。ちょっと変じゃない?」
「おう、体調ならすげぇ変だぞ。こりゃ二日酔い夕方まで続きそうだ」
「ちがうわよ。『ホステスがやたら媚び媚びと迫ってくる店』って、あんたの顔見てホステスが
迫ってきたわけ?」
「………」
「ちょっと、こっち見なさいよ」
「やめ!蛍光灯スタンドまぶしい」
「ねぇ、あんた仕事のつきあいとか言ってどこ行っちゃってたわけ?あんたに迫るホステスなんて
居るのかしら。そりゃあのクラスには私とかみのりんとかバカチーが居たけど、基本、あんたって
怖がられるよねぇ」
「いや、あのよ」
「竜児……嘘ついたわね」

大河が目をかっぴらいて耳まで口が裂けそうな笑みを浮かべる。怒りのあまり顔はカタカタと震え、
MK5(マジで殺す5秒前)状態。一方の竜児は昨晩の赤鬼顔もどこへやら、二日酔いのおかげで
取調室の青鬼状態。さぁ、吐け、吐いてすっきりしろ!と迫られ、ついに吐いた。ゲロじゃなくて真実を。

「すまん……ほんとはおかまバーに連れてかれたんだ」



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