朝起きたら。

虎が一頭勝手に台所に入り込んで炊飯器を睨みつけていた。おう、珍しく早いな、と
声をかけても聞こえないのか知らんぷり。ひたすら、炊飯器ごと食ってやろうと言う目で
睨み付けていた。

炊飯器が壊れていた。

当たり前の発想なら、1.炊飯器が壊れる。2.逢坂大河が朝飯を食い損ねることに腹を立てて
睨み付ける。という、順番だろう。だが、どういう訳か高須竜児は原因と結果が逆かもしれない
と思った。虎が睨み付けたら炊飯器がびびって壊れた。科学的にはあり得ないが、逢坂大河は
そもそもあり得ないような奴だ。

なぜ早起きして高須家まで来ていたのか、大河は何も言わなかった。





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