「おう、大河! 起きろ!」
「……んー」
返事をしつつも掛け布団をしっかりと抱きしめる大河。
「おーい、また櫛枝との待ち合わせに遅刻しちまうぞ」
「……んんー?」
少し眉をひそめた大河は寝返りを打ち、
主を起床させるのに必至な駄犬の姿をチラリと見る。
「先に行けばぁ……みのりんと……」
「おう!? 何ふざけた事言い出すんだお前は!」
不意に想い人の名を出されて狼狽える竜児に大河は続ける。
「あんたみたいなGIYでもみのりんに合わせて歩くことくらいできるでしょー……」
「そういうことを言ってるんじゃ……ねぇ!」
ガバッと一気に大河から掛け布団を奪った竜児は、リビングを指さして言い切った。
「お前に朝飯を食わせないと、1日が始まらねぇだろうが!」
驚いた表情で見上げた大河の眼に映っていたのは、布団だったのか、竜児だったのか。
そのあたりは定かではないが、これ以降、大河の寝起きが若干改善された……らしい。
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