「なんだ、またゲームやってるのか、大河」
「ん」
大河はこちらにパッケージを見せる。
『龍が如く』
「おぅ、これって結構人気のあるゲームじゃねぇか、確か極道になるゲームだよな」
「そう主人公が堂島の龍って呼ばれるの、これは1だから遥って女の子に出会って……って感じね」
「ほぉ、こういっちゃ何だか珍しく俺たちに絡みのないゲームじゃないか」
「そう?」
竜児がそう言った時、
『おじさん、あれあれ』
画面からは大河の声が聞こえて来た。
「……まさか」
「えへへ」
遥という少女の声は竜児の直感通りだった。
中の人が同じなのだ。
しかし、それだけだ、それだけ。
「これは遥が桐生に護ってもらうんだよ」
「桐生ってのが主人公なのか」
「そう、堂島の龍」
「……ん?龍?」
嫌な予感がする。
龍→竜。
極道→目つき悪い、というか恐い。
護られる少女→大河と同じ。
「全然関係無くねぇじゃねぇか!!」
「そ、そぉ?」
「目を逸らすな!!お前わかっててやってるだろ!?」
「べっつにぃ……あ、そうだ竜児」
「別にって……なんだよ」
「ほら、今画面で遥が桐生に聞いてるじゃない?『ソープって何?』って」
「うぉぉう!?」
「ここで桐生は風呂だって言った後誤魔化しちゃうんだよね、ねぇソープって何?銭湯?」
「さ、さぁ?」
ジトーっと横目でしばらく大河は竜児を睨む。
惚けてないで早く教えろということだろう。
「黙ってないで何とか言うのだこのエロ犬!!」
「エロ犬ってお前絶対意味わかって言ってんだろ!?」
「さ、さぁ?」
「俺と同じ惚け方してんじゃねぇ!!」
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