赤ん坊は、無条件で可愛い存在だと思う。
抱き上げた大河の弟をあやしながら、竜児はしみじみとそう実感した。
男女の性別とか、血縁の有無など関係なく、ただただ可愛いと思うのだ。
この腕の中の赤子が喜ぶことなら、なんだってやってあげたい。まだ高校生のくせにこんなことは考えるのは舞い上がりすぎだと自分でも思うけど、子に対する親の愛情とはきっとこういうものなのかな、って。
「ん〜〜?どうちたんでちゅか〜?おにいちゃんでちゅよ〜〜?」
相好を崩し、赤ちゃん言葉な今の竜児の姿は、最愛の嫁でさえドン引きしそうな放送規制モノであったが、赤子はそんなフェイシャル・ウエポンな竜児にも、無邪気な笑顔を返してくれる。
愛しくて、愛でたくて、愛らしくて、たまらない。
「うん?どうした?お腹すいたでちゅか〜〜?
…………。
お、………お兄ちゃんのオッパイ、吸う?」
「ナニするだあ――――貴様あ――――!!」
バッタの改造人間じみた跳躍力で、大河の足刀が竜児の横面に炸裂し蹴り飛ばした。
まるでダルマ落しのようにその場に留まった弟の身体を柔らかく抱きとめて、大河は3メートルの水平移動を強制され、床の上で痙攣している婚約者を睨みつけた。
「りゅりゅりゅりゅりゅううじぃぃぃ!あ、あんた、このエロエロ犬ぅぅぅ!!
アンタ、アンタねぇ!人の弟に、なっ、なんてことしてんのよっ!!」
「してない…ゴホッ…まだ未遂…」
「未遂とか関係ないっ!ひ、ひ、ひとのオトートに、赤ちゃんに、アンタ、なななにしてんのよこのペド!ペド!ショタホモペド野郎!!!」
「いや・・・かわいいもんだから、つい」
「つい、で男がオッパイするなぁぁぁ!アンタのそのドス黒い乳輪で、赤子の純真な瞳を汚すんじゃない!」
「うおぅ…そ、そんなに黒いかよ…」
「はああ!?そのメラニン色素が不必要に沈着しまくったゴミレーズンが黒くないとでもいうわけHENTAIがっ!!私ばかりか弟にまでトラウマ植え付ける気っ!?」
「くうううう…」
「はっ!!泣いちゃうわけこのドスケベエロエロ黒乳首犬!!アブノーマルな上にヘタレとくるかこのシワクロひまわり乳輪!!
そんなにねぇ……そんなに……そんなに、おっぱい吸ってほしかったんなら…私が吸ってやる―――!!」
「えええええええええええええええ!?い、いや!やめて!」
「へっへっへっへっへっ、口ではそう言いながらも、もうここはビンビンじゃあねぇかぁ〜」
「あうっ!いやっ、ち、ちくびコリコリしちゃだめ…らめえええええええええええええええぇぇ!!」
ギシギシアンアン
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