「竜児!」
「おう、どうした?」
「で、でで、ででで……」
「……大王がどうかしたのか?」
「違うバカ! 出来ちゃったの! 子どもが!」
「はぁ!? ど、どういう事だそりゃ!?」
「私と竜児の遺伝子がここでフュージョンしたってことよ」
「そうじゃねぇ! 俺たちはその……キス……までしかしてないだろ!」
「そっか……竜児は知らなかったのね……」
「……何をだよ?」
「現代ではキスだけで子どもが出来るのよ!」
「んなわけあるか!」
「本当だって! ほら、この『サイエンス』に載ってるもん!」
「おぉぅ……なんだそのカタカナのサイエンスは……」
「ほらほら、このページ」
「子供が出来たかわかるフローチャート……?」

・最近キスをした No→妊娠の心配はありません
 Yes↓
・思い出すだけで鼓動が早まる No↑
 Yes↓
・そういえば顔が熱っぽい No→もう少し頑張りましょう
 Yes↓
・頭がぼーっとする No→あと少しです。
 Yes↓
・ おめでたです。
一刻も早く産婦人科へ。

「こ、これは……いまどき小学生でも騙されないぞ……」
「あんたとのを思い出すと、なんかドキドキするし、顔は火照るし、そのうちぼーっとしてくるし……」
「いや、あの、大河? これどーみてもエイプリルジョーク雑誌だぞ?」
「ねぇ竜児、子どもは2人以上だよね……?」
「おう、そうだなっっておい……んむっ」


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