「おはよう大河!高須君!」
「おっはようみのりん!」
「おう、おはよう櫛枝」
「おお、大河の笑顔のなんと眩いことよ……さては何かイイ事あったね?」
「うん!推薦入試、合格したの!」
「そいつはめでたい!ひょっとして高須くんも?」
「おう、おかげさまで無事に合格だ」
「流石に二人とも選抜クラスなだけはあるねぇ〜」
「でもねみのりん、竜児ってばきっと不合格だって思いこんじゃってたのよ」
「へえ?高須くん成績いいのに何で?」
「いや、面接がな……第一印象が最悪っぽくて……なんせ面接官が全員引いてたし。
 それに、テンパり過ぎてなんか余計なことまで言っちまったから」
「もう、だから余計なことなんかじゃないってば!」
「なになに、高須くんどんなこと言ったの?」
「あのね、竜児ね……」
「おい大河、恥ずかしいから話すなって!」


「えー、では高須君、何か将来の夢とかはありますか?」
「は、はい、俺……私の将来の夢は、みんなで幸せになることです」
「ふむ、随分と漠然としてますね。みんなというのは?」
「えっと、今の家族と、将来家族になる人と、その家族と……あと、友達や、知り合いや……自分の周りの人達みんなです」
「……君は、それが出来ると思いますか?」
「今はまだ、自分は全然未熟で……正直、どうすればいいのかもよくわかっていません。
 ですけど、これからもっと勉強して、経験も積んで、成長して、いつか必ず実現してみせたいと思っています」
「なるほど、わかりました。ところでちょっと気になったのですが……さっきの『将来家族になる人』というのは……そういう人が居るのですか?」
「あ、はい。今は恋人……というか婚約中の身ですけど、卒業して就職して生活安定させて……その、出来るだけ早く正式に家族になりたいと思ってまして……」


「……ってことらしいのよ。私が聞き出した所によると」
「え、ええ話や……特に後半。これはぜひあーみんにも教えてあげないと……」
「頼むからもうやめてくれ……」



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