「じゃぁ、あとはこれで自分がほしいものを探して表示通りにすれば家に届くんだな」
「そ。私のカードだけどあんたの家にも配達できるようにしといたから。好きなときに使えばいいわ」
「すまねぇ。念押しするけど、代引きにできるんだよな」
「しつこいわね。さっきどうすればいいか見せたじゃない」
「まぁ、そうだけどよ」
「どうせあんたのことだから、大金はたいて何か買うって訳じゃないんでしょ。
あんたのミミズの糞の程度の買い物、私のカードから引き落としたっていいんだから」
「馬鹿野郎、そんな訳にいくか」
「はいはいわかりましたわかりました。じゃぁ、私はお昼寝するから。掃除と洗濯やっといてよね。
あと起きたらすぐに暖かいミルクを飲ませなさい」
「ああ、そのくらいやっとくよ。教えてもらったお礼だ」
「まったく、何がほしいのかしら」

あくびをかみ殺しながら寝室に向かう大河がドアの向こうに消えるのを待って、竜児は
ぎらりと日本刀のように光る視線をAmazon.comに戻した。これでこっそり買い物ができる。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003OIBDH4/

アカウントに買い物履歴が残ることなど、コンピュータを持っていない竜児は知るよしも無かった。








− 数時間後 −

「あ、あんたねぇ、他人のパソコンで、んな、何買ってんのよ! し、しかも、み、水着ですってぇ・・・」
「お、おぅ、なんでバレちまったんだ?」
「ほら、目ぇかっぽじって、良く見なさいよ! このエロ野郎!」
「って、画面ちけぇよ、見えねぇ… って、何だよ! なんで買ったモノの記録が残ってんだよ??」
「あんたさぁ・・・」
「こ、これはだな、大河・・・」
「人形で、いいの?」
「おぅ…?」


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