「ねぇパパぁ?」
「……お前のパパじゃねえよ」
「でもあの子達のパパでしょ〜?」
「なんだ猫なで声なんか出して。気持ち悪いぞ」
「んふふ。あのねぇ……?」
「なに」
「そろそろ……そろそろ"次"が欲しいなぁ」
「……」
「ダメ?」
「そうだな。来年からみんな幼稚園だし、これ以上増えると相当大変なんじゃないか? 三つ子なんて只でさえ毎日目ェ回りそうなのに」
「平気よ! 私カラダだけは頑丈だもの。それに家族は多いほうが楽しいよきっと」
「そうは言ってもな。今のご時世じゃ三人も居れば十分多い方だと思うが」
「なにそれ。あんたまさかこれで打ち止めのつもり? 冗談は目つきだけにしなさいよね」
「おうっ! ひでぇ……傷ついた。もう勃ち直れない」
「……つまんないこと言ってると噛み千切るわよ。私はね、四十までにあと六人産みたいの。その為にはあんたの協力が必要不可欠なの」
「それ本気かよ。いくらなんでも多すぎるだろ。もう一人か二人くらいなら考えてやらなくもないけどな。そもそもなんで六人?」
「竜の子は九人って昔から決まっているのよ。知らないの?」
「知らねえよ、そんなの初耳だ。だからって俺達が九人も作らなきゃいけないってことはないだろ」
「あーもう! グダグダうるっさいったら! せっかく良い子モードで可愛くおねだりしてあげてたのに」
「良い子モードだったのは最初の方だけじゃねえか」
「本っっ当細かい男よあんたって。そんなんでよくいっぺんに三人も孕ませたわね」
「俺が細かいこととお前が三つ子孕んだことはなんの関係もないんじゃ」
「……」
「コラ、黙るなよ」
「ねぇパパぁ……お願いよぅ……赤ちゃん作ってぇ?」
「っ……!! 頼む、そんなに煽らないでくれ。堪んねえから。マジで」
「あらぁ? もう一押しかしら。今夜はあんたがうんと言うまで口説くことにするわ」
「勘弁してくれよ……どんな拷問だ」



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