放課後、駅ビルのCDショップ。
「え〜っと、HTTの新譜……あったあった」
「竜児、それ……ガールズバンド?似合わないもの買ってるわね〜」
「ほっとけ。能登に勧められたんだけど、意外に良いんだぜ」
「ふ〜ん、よかったわね〜」
「……おい大河、なんで急に拗ねてるんだよ」
「別に拗ねてなんかいないわよ」
「だってお前……」
「うるさいわね。そんな拗ねる理由なんて無いじゃない」
「……おう、そうか」
「ところで竜児、参考までに聞きたいんだけど、その中ではどの子が好み?」
「おう? いや、そういう風に見た事ねえからなあ……」
「やっぱりドラムの子?」
「何でだよ。あえて言うなら……そうだな、ギターの子かな」
「真ん中の?」
「いや、サイドのちんまりした方」
「……何で?」
「聞かれてもな……まあ、雰囲気がちょっと猫っぽいから、とか……かな」
「ふ〜ん……竜児の好みってもっと元気一杯な感じだと思ってたんだけど」
「う〜ん、言われてみれば確かに前はそんな傾向あったかもしれねえけど……今は少し変わっちまったかな」
「どうして?」
「……それを言わせるか?」
「ん、いいや。ねえ竜児、せっかくだからお茶して帰らない?」
「おう、たまにはいいか」




作品一覧ページに戻る   TOPにもどる

inserted by FC2 system