「はろー実乃梨ちゃん、久しぶり」
「おーうあーみん!間に合わないのかと思って心配しちまったぜー」
「ちょっと仕事が押しちゃって」
「さすがは売れっ子モデルですなあ〜。テレビや雑誌でよく見るせいか、こっちはあんまり久しぶりって感じがしないもの」
「あら、ありがと。ま、亜美ちゃんの美貌と才能なら当然だけどね〜」
「お、来たね来たね腹黒トーク。それでこそ本物のあーみんって感じだぜ!」
「どーゆー意味よ」
「いやもう、そのまんま」
「…………いいけどね。実乃梨ちゃんの方は最近どう?」
「いやー、コーチが厳しくてさー。見ての通りに日焼けでガングロ、打ち身擦り傷は日常茶飯だよ」
「へ〜、そっちも大変そうね」
「まあ、好きで進んだ道だからね。それにおかげでダイエットいらず!腹筋なんか割れちまってるぜ〜。後で触ってみる?」
「いや、いい……しかし、そんなんだとお互い春は遠そうね」
「私はほら、今はソフト一本槍だからそっちの方はまだまだ。だけどあーみんならよりどりみどりじゃないのかい?」
「ダメダメ、芸能界なんて見た目だけで中身カラッポとか、妙にプライド高かったりとか、下心見え見えとか、そんなのばっかり」
「う〜ん……あーみんは理想が高すぎるんじゃないかね?」
「そうね……あのハイスペックが基準になっちゃってるのかも。あ〜あ、つくづく惜しい事したな〜。やっぱりあの頃強引にでも奪っておけばよかったかも」
「こらこら、こーゆー場でそーゆー事を言うんじゃないよ」
「わかってるって、冗談よ、じょーだん」
「あんまり高望みしすぎると、ゆりちゃんみたいになっちまうぜ〜?」
「うわ、それは流石にちょっと……って、そーいや早くも涙ぐんでたみたいだったけど、ひょっとして……?」
「……まだ、らしいよ」
「…………うわ〜…………」
「ゆりちゃんって言えばさ、あーみん気づいたかね?今ここに元2−Cメンバーが勢ぞろいしてるの」
「……え?マジ?」
「マジ。さっき北村君とも話して確認したし」
「は〜、道理でなんか人が多いと思ったら……あ、でもまだ全員が揃ったわけじゃないわよね」
「え?」
「だって、肝心要の二人がまだ居ないじゃない」
「……おお、確かに。そういやそろそろ時間だね」
 実乃梨がそう言った直後、誰もがよく知る音楽と共に教会の扉が開く。
 まずは新郎の入場。次いで父親を伴った新婦。そして並び立つその二人こそが―――――



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