「ねえ竜児」
「おう?」
「アマゾンの河口で流れが逆行する現象って何?」
「ポロロッカだな」
「ぽろろっか……と。じゃあ、五文字の最後から二番目がツで『四人組』は?」
「……カルテット、じゃねえかな」
「ああ、なるほど」
「なあ大河」
「んー?」
「さっきからそのクロスワード、ほとんど俺が解いてるじゃねえか」
「それがどうしたのよ?」
「そのパズル誌は俺のだし、応募も俺の分の解答とまとめてするし、それでもし当選したら景品は大河の物って……おかしくねえか?」
「そんなに言うなら竜児にあげてもいいけどね。女の子向けデザインのバッグでもよければ、だけど」
「ぐ……なんか理不尽だ……納得いかねえぞ」
「しかたないわね……それじゃ代わりに、私が竜児にご褒美あげるってことでどう?」
「ご褒美って……何だよ?」
「ヒント一つにつきキス一回ってのは?」
「さて、次は何だ?なんでも答えてやるぞ」
「……竜児……」


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